ここから本文です。
トドマツはマツ科モミ属の常緑針葉樹で、北海道の人工林150万haの内、50%がトドマツで占められています。2010年度の造林面積は2,800haとカラマツの次に造林量の多い樹種です。トドマツの材は、木理が通直、色は白色で心材と辺材の区別が明瞭ではありません。材の用途は主に製材用ですが、パルプチップ用としても多く利用されています。
開発した11品種の幹重量は、一般のトドマツの平均値よりも約10%多くなることが期待されますこれらは雪が少なく寒冷な道東に適した「佐呂間102号」「陸別101号」、積雪量の多い道央向きの「札幌101号」など北海道各地域の気候特性に合わせて開発しました。
寒風害・凍害抵抗性品種(平成9年度開発)
北海道東部や太平洋沿岸部では少雪で寒さが厳しく土壌が凍結します。寒風害や凍害に対する抵抗性は、冬の厳しい寒さや季節外れの異常低温にも生き残るための条件になります。寒風害抵抗性として22品種、凍害抵抗性として31品種を開発しました。が入ります
北林育1号(昭和53年度品種登録)
トドマツで唯一、種苗法により品種登録された品種です。成長が遅く、節間が狭く、枝、葉量とも多く、こんもりした樹型をしています。造林用以外に、クリスマスツリー、庭園樹などにも利用されます。
エゾマツはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹です。材は淡黄色で木目も美しく、建築材に多く用いられます。しかし、エゾマツカサアブラムシ被害等によって、造林が敬遠されてきました。このことは、北海道固有の生態系維持及び資源保続の観点から問題になっています4年間のエゾマツ被害木。カサアブラムシの接種検定において、まったく虫えいが形成されなかった11品種を抵抗性品種として開発しました。
アカエゾマツはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹で、北海道のほぼ全域で造林されている樹種です。様々な環境下でも生育が可能で晩霜害に強いなどの特徴がありますが、他の造林樹種と比較して初期成長が遅いなどの欠点もあります。2010年度の造林面積は1,900haと北海道では3番目に造林量の多い樹種です。材は木理が通直、色は淡黄白色で、建築材や楽器材として利用されています。
北のパイオニア1号(平成16年度品種登録)
グイマツ雑種F1は、北海道におけるカラマツ造林上の問題の一つである野鼠被害を解消するために改良されたカラマツ属の種間雑種です。この雑種は両種の利点を兼ね備えており、耐鼠性のみならず、初期成長、諸被害抵抗性、さらには木材利用上の問題であった幹の通直性においてもカラマツよりも優れています。
北のパイオニア1号は、平成16年度に品種登録された品種です。母樹はグイマツ精英樹の留萌1号、花粉親をカラマツの諏訪14号とした
家系で、野鼠に対する抵抗性があるグイマツ雑種F1の中でも、初期成長が良く、幹の通直性に優れています。
お問い合わせ
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.