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3月13日に「つぎ木によるクローン増殖」について講習会を開催しました。
参加者は国有林、道庁森林整備課、市町村等の各関係機関等、特定増殖事業者及び種苗生産者で、37名の方が参加されました。
午前中に「林木のつぎ木増殖」について座学を行い、午後からは採穂作業、穂木の貯蔵作業・つぎロウ作り、そして新設した特定母樹種穂増殖温室でグイマツを用いたつぎ木の実習を行いました。
参加者からは「実際にやってみたのでわかりやすかった。」「もう少しつぎ木をしたかった。」など好評でした。
特定増殖事業及び苗木生産等の今後に活かされ、優良な苗木の普及につながる事を期待しています。
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座学風景 |
つぎロウ作り |
つぎ木実習風景 |
現在、北海道ではカラマツ人工林の主伐期を迎えており、カラマツの伐採後には成長のよいカラマツ類を植栽していく傾向があります。
北海道では特に母親をグイマツ、父親をカラマツとしたグイマツ雑種F1の人気が高く、グイマツの中でも精英樹の「中標津5号」を母親としたグイマツ雑種F1は、成長が特に優れたものとして農林水産大臣が指定する「特定母樹」に指定されました。
特定母樹はクローンである必要があるので、つぎ木増殖を行う必要があります。苗畑でのつぎ木適期は4月下旬から5月上旬の芽吹く前の僅かな期間となります。
そこで、北海道育種場では、平成26年12月に中標津5号等の特定母樹を効率良く増殖するため、ガラス温室を整備しました。
温室の完成によって今後は、4月初めからのつぎ木作業が可能となり、苗木の増殖を効率よく進める事が出来ます。
ここで増殖された母樹クローンの苗木は、山林種苗業者などに配布され、グイマツ雑種F1の母親として採種園に植えられます
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温室外観 |
温室外観 |
温室内部(黒土が一面に敷き詰められている) |
6月16日から行っていた17採種園(4樹種)の着果(花)調査が6月30日に無事終了しました。
各樹種の着果(花)状況は、トドマツが道央・道南・道東方面、アカエゾマツが道東方面、カラマツ類が道北方面で平年より多く着果していました(別表)。
調査にあたっては、森林管理局・関係森林管理署・森林調査隊から多くの方々に参加していただき、ありがとうございます。
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着果調査の様子 |
岐阜採種園(トドマツ) |
陸別採種園(トドマツ) |
6月12日、札幌工科専門学校の環境緑地工学科の生徒13名が来場し、つぎ木実習などを行いました。今回の実習は2年に1度行われているもので、1、2年生が来場しました。
はじめに、林木育種事業について講義をうけて、午後から、モミの木のつぎ木を実際に行い、その後、エゾマツ花粉の精選、カラマツ種子の精選、発芽検定等を行いました。
つぎ木については、ナイフを使用するため真剣な表情で取り組んでいました。また、その他の実習についても、率先して取り組んでいました。今回の実習が、今後の進路選択に役立てていただければ幸いです。
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座学 |
つぎ木の実習 |
花粉・種子精選 |
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