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地球温暖化防止のため、森林の二酸化炭素吸収作用の保全強化が重要なことから、特に優良な種苗の親となり得る樹木について農林水産大臣が「特定母樹」として指定することとなりました。北海道では、グイマツハイブリッド雑種「ク リーンラーチ」の母親である「中標津5号」が第1号として特定母樹に指定されています。
特定母樹等に関しては、採種園等の造成が民間事業者でも簡単な手続きで行え るようになり、道内でたくさんの事業者が参加を北海道知事に申し出ました。昨年度北海道知事から特定増殖事業者として認定を受けた事業者は5者(北海道ニッタ株式会社(幕別町)、佐々木産業有限会社(遠軽町)、住友林業株式会社 (紋別市)、滝上町(滝上町)、株式会社後楽園(美幌町)ですが、さらに5社 以上が意欲的に準備を進めています。
特定増殖事業を開始するためには、特定母樹等のクローン苗と採種園造成に係る知識が必要となります。北海道育種場では、道と連携を取りながらこれに協力しています。
① 採種園造成のノウハウについて、適地の選定方法から造成方法、維持管理まできめ細かく指導しています。
② 特定母樹等の原種配布を「つぎ木苗」として行うべく、場内で大量に増殖を行っています。
③ 場内のキャパシティーには限界があるため、②で増殖できる「つぎ木苗」の本数は限られます。このため、事業者自らが「つぎ木」により増殖できるよ う、「つぎ穂」を配布するとともに、「つぎ木増殖」の技術を指導しています。
今年の3~5月にその一環として「つぎ穂」の配布と「つぎ木」の指導を行いました。
指導を受ける技術者はいずれも真剣で、自治体で唯一の認定特定増殖事業者である滝上町では長屋栄一町長自らが先頭に立ってつぎ木作業を試しておられました。
北海道育種場では、今後とも積極的に対応していきたいと考えています。
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つぎ木増殖指導風景(滝上町) | つぎ木を行う滝上町長 | つぎ木増殖指導風景(株式会社ニッタ) |
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