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更新日:2024年11月20日
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北海道育種場では、「林木ジーンバンク事業」として「新品種開発のための育種素材の供給源の確保」と「絶滅に瀕している種の確保」を主とし、成体・種子・花粉を林木遺伝資源として収集・保存しています。
春になり、育種場内で生育している樹木も花粉が飛散する時期となりました。今回は、カラマツの花粉収集から保存にかけての作業の様子を紹介します。
〇収集
花粉収集は、タイミングが重要となるため、日々の観察を欠かさずに行います。
カラマツの雄花 (写真1、2) が成熟していることを確認したら、指でつぶした際に水分がほとんどなく、指先に花粉粒のざらつきが感じられるようになった時が適期となります。
採取に当たっては親指の腹を使用し、一つずつもぎ取るように採取します。
写真1、2カラマツの雄花
雄花を採取したら、表面に付着した他の花粉を落とすため水洗いし、グラシン袋に入れて乾燥させます (写真3) 。
数日、乾燥させるとグラシン袋の底に花粉が溜まってきます (写真4) 。溜まったことを確認したら、次は精選作業に移ります。
写真3(左) 乾燥中の様子
写真4(右) 溜まった花粉
〇精選
精選作業は、スタンドにチューブをセットして、ガーゼを被せた漏斗に花粉を乗せて (写真5) ドライバー等で叩きます (写真6) 。カラマツの花粉は60~80㎛と小さく、ガーゼの網目を通過することでゴミを取り除き、精選された花粉がチューブに溜まります。
写真5(左) 精選前の花粉
写真6(右) 精選作業の様子
〇保存
精選された花粉 (写真7) は水分を多く含むため、チューブに入れてそのまま保存するとカビが生える可能性があります。そのため、中にシリカゲル (乾燥剤) を入れ (写真8) 、林木育種センター (茨城県日立市) の冷凍庫で-80℃にて保存を行います。
写真7(左) 精選された花粉
写真8(右)シリカゲルの入った花粉チューブ
今春は、カラマツのほか、トドマツ・ハンノキ、カンバ類等についても花粉の収集を行いました。
北海道育種場 連絡調整課
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