木造建築物に代表される木材あるいは木質材料を使った構造物が、自然から受ける災害の中でも安全に 存在し続けることは、いかなる場合にあっても当然の要求であるといえます。
木材の接合部、およびその強度性能について様々な研究蓄積が、今なお続けられていることは、人との長い付き合いの歴史を持つ木材であったとしても、今日的な安全性確保についての解釈は求められ続けているからに他なりません。
実験現場での結果は動かし難い現実として存在しつつも、実際の建物を自然災害に遭わせて安全性を試すわけにもいきません。その間を繋ぐ、実験結果のモデル化と構造体の数値解析は、現代の構造安全性確保の王道とも言えます。
他の構造と同じ手法を試すことが出来る構造解析に比べ、実験結果のモデル化は、構造材料それぞれの特性を踏まえた上で、構造解析の結果として安全な構造体を確実に担保し続けることが重要なことといえます。
材料接合研究室では、木材およびその接合部の実験結果から、安全な構造体を確実に作り上げる強度データベースの整備に力を注いでおります。