木材は、我が国の気候風土がその育成に適していたこともあって豊富な資源量と長い利用の歴史を持っている。自然界に在る姿から直接、構造部材の形で借用することが可能な材料であり、軽くて強い、そして長い部材が得られるその特性は、繊維状かつ中空の木材組織構造によって構成されているからに他ならない。この生い立ちとその組織構造が故に、近代の構造用材料と明らかに違っているのが強度異方性であり、構造体の強度が接合部の強度特性によって支配される原因ともなっている。
そればかりではない。
この組織構造は樹木の種類で違っており、その違いが、重さの違い、強度の違い、耐久性の違い、等などの個性と密接にかかわっている。
木質構造を研究するものとして、それを使って作る構造物は木材の特性を生かして上手に使って貰いたい。
その、木材を上手く使う素養の一つとして、この繊維状かつ中空の木材組織構造を理解することを薦めたい。
3次元的に仕組まれたその構造が、どのような関係で立体的に組み合わせられ、形作られているのか。
それだけではない。
樹種によって異なる構造材としての木材の特性は、この木材組織の構造と関係があることを学んで欲しい。
ここに作成途中ではあるが、木のしくみを学ぶ教材を紹介する。
まだ作成途中なので納得いかない部分も多いのだが、多くの人の意見と共に進化発展させたいと思っている。