地形要因による山地の風速推定法

 荒木眞之

要旨

 山地の風速条件を把握することは,天然下種更新を確実にするため,あるいは風衝地の取扱い法を立案するために必要である。しかし,山地には風速観測点は極めて少ない。そこで高度,位置係数,起伏度,開放度,走向,陸度,緯度等の地形要因を用いて8月における平均風速を推定する方法を開発した。利用上の便を考慮し,推定する対象地の広さ,すなわち地形計測の範囲は林業施業上の一団地の大きさに設定した。一方,推定手法には数量化T型を用いたため,利用の際の推定値算出は容易である。付随的に,各種地形要因の風速におよぼす影響を地形要因の選択作業を通じて調べた。得られた推定式はとくに作成された関東甲信越地方の風速分布図でチェックされた。

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