備蓄財劣化防止技術の開発〔T〕

−昭和51年度購入製材調査結果−

雨宮昭二,鈴木憲太郎,松岡昭四郎,鷲見博史,佐藤庄一,筒本卓造

   要旨

 (財)日本木材備蓄機構は昭和49年度以来,製材および合板の備蓄を 実施している。製材の場合は生材で備蓄するため,保管中にかび,くされ等による劣化が生じやすく,また 堆積の方法が不適当であれば,保管中の材の乾燥に伴って狂いや割れによる劣化を来たすなど問題が多 い。本調査は,東京都下および埼玉県下の各1工場の倉庫に備蓄保管されているベイツガ角材の材質変化 を,約1年間にわたって調査したものである。本調査では,備蓄中の乾燥に付随する狂い,割れの変化,か び,くされ,変色等の進行状態を観察し,それらを一定の基準に照らして評価した。これら一連の調査によっ て,今後の木材備蓄に関する適切な技術指針が得られ,この結果に基づき,備蓄材の材質劣化を最少限 にとどめるための保管法に対するいくつかの提言を行った。その主な点は,備蓄製材はすべて防ばい処理 を行うこと,製材は桟木,枕木を用いて正しく桟積みし保管すること,桟木は防腐処理を施したものとするこ と,倉庫は通風良好な開放型構造とすること,などである。

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