(研究資料)

   日本産主要樹種の性質

木材の性質一覧表

木材部・木材利用部

   要旨

 この報告は,わが国に産する主要樹種の利用上の指針を得るため,昭和 34年以来行ってきた「日本産主要樹種の性質」の試験結果のうち,物理的性質,強度的性質,加工的性質,耐 朽性に関する代表的な特性値を一覧表として掲げるとともに,それらの特性値と比重の相関係数を示したもの である。
 試験を行った樹種は72樹種で,そのうち針葉樹が24樹種,広葉樹が48樹種である。なお,試験を行うに先だ ち,実行上の負担なども考え,樹種の利用度,分布区域,蓄積などの大きい順に,樹種の取扱いをA,B,Cに 区分し,その区分ごとに供試木の採取地の選び方,供試材の数量,必要とする試験項目などがきめられた。各 区分ごとの樹種の数はAが4樹種,Bが7樹種,Cが61樹種である。
 ここに示された試験結果は無欠点材を対象に,主として標準試験法によって得られた数値で,その試験項目 も限られているため,この特性値から直ちに木材の実用的な用途や加工条件の適否を判定することはできない が,共通の試験材料から各種の性質が系統的に得られているので,国産材の一連の性質を評価する際の基準と なるばかりでなく,各種の性質の相互関係の推定や,これらを利用する際の樹種選択の指針として有効であろ う。

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