(研究資料)

人工林の複層林施業に関する研究(X)

複層林の林分構造と生長

複層林施業研究班

   要旨

 複層林の外分構造と生長の関係を解析した事例はきわめて少なく,複層林 の保育技術を確立するためには,なお多くの資料の集積が必要である。その一部として二段林および択伐林の 林分生長の解析を行った。上木の間伐強度を3段階に変えた二段林(上木スギ69年生,下本ヒノキ37年生)と, 上木の枝打ち強度を4段階に変えた二段林(上木スギ12年生,下木スギ7〜8年生)について,それぞれ10年 間と3年間の林分生長を検討した。二段林の上木の生長と上木密度との関係は,単層林の場合とおなじく解析 できるが,下木の生長は上木の取り扱いによる光環境の変化に応じて変動する。上木の間伐,枝打ち強度が強 いほど,下木の生長は増加するが,上木の外分生長量は逆に減少する。林分の経営目標に応じて取り扱い法 を変える必要がある。また択伐林については,岐阜県今須およびその隣接地域において経営されてきた2林分 を調査し,その林分構造と生長の実態を解析した。

全文情報(1,166KB)