石原光朗,志水一允
褐色腐朽菌オオウズラタケ(Tyromyces palustris)の多 糖類加水分解酵素の生産を目的として,液体培養および固型培養によるその生産条件を検討し,以下 の結果を得た。液体培養においてCx-セルラーゼやヘミセルラーゼの生産性を高めるためには,培地の pHを2.0以上に制御することが必要であった。β-グルコシダーゼは培養方式に関係なく,また低いpH 条件下でも一定のレベルで産生された。C1-セルラーゼは培地の結晶セルロース が分解され,利用されている固型培養によっても,液体培養からと同様,産生されなかった。この事 実は,オオウズラタケの生菌レベルの結晶セルロースの分解に非酵素的因子の関与している可能性を 示唆した。
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