椎林俊昭
単木あるいは林分の過去の生長過程を知るため収集された樹幹解析 のデータは膨大な量になるものと考えられる。この種のデー夕はある特定の研究目的のために収集された ものではあるか，他の関連分野においても，基礎データとして再利用できるものも少なくないと考えられ る。現段階では，この種のデータは，いろいろな形で研究室あるいは研究者か保管しており，再利用の際 のあい路となっていた。
このため，樹幹解析デー夕を利用し易い形式で磁気ディスクファイルに格納し，研究者か必要とするデ ー夕を簡易な操作で検索し，解析できる，データベース的な機能を備えたシステムを開発した。このシス テムは，蓄積，検索，解析の3種の基本機能で構成され，蓄積機能は，さらに収録，更新，修正の3種の副 次機能からなっている。検索機能は，採取場所，樹種，樹齢などの検索項目の指定により必要なデータを 別のファイルに出力する。検索の効率化のため収録データの属性別の本数を表または地図に表示できるよ うにしてある。解析機能は検索したデータを入力データとして，樹幹解析に必要な一連の計算および作図 処理を行う。
このシステムにより，樹幹解析データの保存と管理が一元化され，採取場所等の情報か明確になり，そ の利活用の道が一段と拡げられるとともに，休業研究におけるデータベース構築の一部を構成するもので ある。
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