東北地方の6県を対象に,スギ造林木の雪圧害の発生危険地帯区分図 を作成した。自然環境要因として海抜高,土壌統群,積雪環境(冬の気候を総合的に分析した特性値), 地形開放度,斜面傾斜角,斜面方位の6要因を取りあげた。そして縮尺20万分の1地勢図を一辺5m血のメッ シュ(実面積1q2)に分割し,それぞれのメッシュごとに上記要因を 読み取り,115か所の造林地の成林率を外的基準とする数量化T類の多変量解析法により各要因ごとに配 点区分を検討し,各区分に1〜5の評点を与えた。さらにランドサット写真の残雪状況を参考にして積雪環 境特性値と斜面傾斜角の配点区分の修正を行い,その総合点数に応じて,スギ造林木の雪圧害危険地帯を 4段階に区分した。東北地方全体についてみると奥羽・越後の両山脈および出羽・朝日・飯豊山地などの 高山地帯は最危険地帯が多く,都市部を含む盆地や平野部,日本海沿岸および太平洋沿岸部は安全地帯に 区分されるところが多い。危険および最危険地帯の県別面積割合は,宮城県6%,青森県145%,岩手県24 %,秋田県31%,福島県33%,山形県44%であって山形,秋田,福島の3県はきびしい環境条件下にある ことが認められた。
全文情報(1,075KB)
−林業試験場研究報告−(現森林総合研究所)
森林総合研究所ホームページへ