(研究資料)

針葉樹のロータリー単板切削(第2報)

フィジー産 カリビアマツ,インドネシア産 メルクシマツ,カシヤマツ

高野 勉,木下敍幸

   要旨

 フィジー産カリビアマツ及びインドネシア産メルクシマツ,カシヤマツについてベニヤレースによる単板切削試験 を行い,単板品質からみた適正切削条件を明らかにした。
 一般に,単板厚さが厚くなるほど単板の厚さむらは増大する傾向がみられるが,供試3樹種の場合単板厚さが薄いときでも厚さむらは大きく,特に メルクシマツ及びカシヤマツについては問題がある。厚さむらを低下させるためには,チャックによる原木の固定に留意する必要がある。メルクシマ ツ及びカシヤマツの裏割れ率は,刃口水平方向間隔が85%〜90%の条件で最小値を示すが,単板厚さが3o程度であれば裏割れ率は20%程度と非常に 低く,特に厳密に刃口条件を選択する必要はない。カリビアマツでは刃口水平方向間隔を80%に設定しても,裏割れ率を単板厚さが3oの場合30%以 下,6oの場合40%以下にすることは難しい。単板の面あらさは,原木1回転分の単板でも,切削方向と生長輪とのなす角度が順目及びほぼ平行方向に なる部分に比較して,逆目方向になる部分が非常に粗くなる。メルクシマツの場合他の2樹種に比較してやや単板面が粗いが,3o単板切削で刃口水平 方向間隔を90%前後に設定すれば,実用上特に問題のない単板を得ることができる。

全文情報(1,477KB)

−森林総合研究所研究報告−
森林総合研究所ホームページへ