石井邦彦,豊川勝生
集材機運転手の労働負担の軽減策考察のため,2営林局管内の集材 機運転手131名の1週間の疲労自覚症状しらベ,振動・騒音の実態調査,振動・騒音による自覚症状しら べを実施した。集材機運転手集団は自覚症状群の訴えの程度から肉体作業型に分類されたが,同じ肉体 作業型の他職種集団と比べて疲労感がやや高い職種集団であった。自覚症状の訴えは「足がだるい」, 「目がつかれる」,「横になりたい」,「肩がこる」,「腰がいたい」の各症状に集中していた。これ らの症状は集材機の運転動作と身体各部位の使用頻度とに関連のあることが推測された。局所振動によ る自覚症状しらべでは,前腕部の訴えが多かった。また,騒音の実態調査では,日本産業衛生協会の勧 告基準以下であったが、自覚症状しらべでは,耳鳴りの症状の訴えがみられた。これらの自覚症状は, 高齢化現象とも考えられ,今後高齢化に伴う人間の適応能カを考えた集材機運転に関する作業仕組,労 働安全を進める必要がある。
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−森林総合研究所研究報告−
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