富村洋一
21年生マレーシア産パラゴム材の化学成分の特性を,正常材と虫害を受けて 木粉化したものとを比較しながら調べた。虫害材は熱水抽出物,1%水酸化ナトリウム溶液可溶部が正常材よりも 少なく,糖組成はグルコースの割合が,ほかの単糖類に比べて少なかった。リグニン量やホロセルロースの量に はほとんど変化がみられなかったが,灰分は虫害材の方が数倍多く含まれていた。また,虫害材は正常材に比べ て澱粉含有量が減少していた。このことから,虫害材は可溶性の糖類を主として食害されたものと思われる。リ グニンの構成単位の比較では,虫害材リグニンはシリンギル核が正常材リグニンよりも少ない値を示した。
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−森林総合研究所研究報告−
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