山岳林における林道路線評価と林道規格に関する研究(第1報)

−林道路線評価パラメータの特性−

澤口勇雄

   要旨

 タワーヤーダやフォワーダ等の新たな機械作業システムに対応し た林道網を早急に構築することが焦眉の課題である。新たな情勢に即応した林道網を構築するに際して は,経済合理性を徹底させた理論に立脚した林道網計画法による必要があるので,本研究はその手法開 発を最終目標に,林道網の実態分析と理論的考察を行った。高密度の林道網整備を効率的に推進するに は,機能に応じた規格・構造で林道網形成を図る必要があり,このための林道規格の決定法を明らかに することが重要になる。このため第1報では,林道規格の決定に関与する林道路線評価パラメータを中心 に検討し,その特性を解明した。すなわち,林道機能を整理し林道網の分類法を提示し,林道網は林道 と作業林道で形成されるとした。次に,林道における木材流量と林業的交通量を計測することで林道機 能を数値化するとともに,林道延長と利用区域森林面積の関係にHACKの法則と類似の関係が 成り立つこと等,林道における林業的交通需要の特性を解明した。林道規格決定のための生産費関数に 必要な,林道開設費,林道用地費,運材費,人員輸送費,集材費,歩行費の各費用を取りまとめ,林道 規格と各費用の関係特性を解明した。林道配置の評価に密接なかかわりを持つ林道密度修正係数や林道 線形と林道規格の関係を解析し,林道規格決定や適正林道密度算定のための生産費の推定精度を向上さ せた。

全文情報(4,996KB)

−森林総合研究所研究報告−
森林総合研究所ホームページへ