( 研 究 資 料 )
保 育 形 式 比 較 試 験
−28年間の経過と結果−
保育試験研究班
要 旨
「林分の密度と成長の法則性」を実証するために,林業用主要樹種であるスギ,アカマツ,カラマツを材料に「保育形式」の比較試験を1959年から全国規模(8か所)で開始した。この試験に採用した保育形式は,植栽本数を4段階(1250,2500,5000,1000/ha),間伐開始期を12年と21年,間伐回数を2回と3回,伐期本数を2段階(1800,1000/ha),調査期間を35年とし,このような組み合わせによって14の保育形式とした。しかし,試験期間中に晩霜や台風などによる気象害,保育不良による被害などによって半数が途中で廃止されたことから,調査期間を28年で中止することになった。アカマツ3試験地とスギ1試験地のいずれにおいても,対象区である10000本/ha区では自然枯死が起こり,自然枯死線に沿って本数が減少し,また,両樹種の現存量や成長量は既存の値に近い値が得られた。本数密度と幹材積との間には逆数式の関係が得られ,当初の目的であった「林分密度と成長の法則性(競争密度効果,収量密度効果)」が実証された。しかし,アカマツの既存の密度管理図からはずれる試験地もあり,今後の検討が必要である。
全文情報(1,409KB)
−森林総合研究所研究報告−
森林総合研究所ホームページへ