プレスリリース

平成18年 6月14日 


ニホンザルによる農林業被害の防除法の研究成果まとまる
− 生息実態の正確な把握から近未来の総合対策までを展望 −

                      独立行政法人 森林総合研究所


  独立行政法人森林総合研究所では、農林業に対する被害の慢性化と拡大が全国的な問題となっているニホンザルに対する総合的な被害対策に資するため、農林水産省農林水産技術会議事務局による委託プロジェクト研究「野生鳥獣による農林業被害軽減のための農林生態系管理技術の開発」を実施し、京都大学、宮城教育大学及び独立行政法人農業環境技術研究所と共同で進めたニホンザルの被害軽減技術の開発に関する研究成果を広く現場に普及させることを目的に、この度、パンフレットを作成しました。
 
  ニホンザルは、近年、関東、中部、近畿で大きく分布域を広げ、それに伴いこれらの地域を中心に農林業被害も増大しており、抜本的な被害対策が求められています。一方、ニホンザルは我が国の固有種であり保全の対象でもあるため、特定鳥獣保護管理計画に基づいて、ニホンザルを群れ単位で計画的に管理することが必要となっています。
  平成13年度から17年度までの5年間実施した委託プロジェクト研究の主な成果としては、集落環境の整備によって農作物の被害軽減が果たせることや侵入防止効果の高い電気ネット柵の開発があり、ニホンザルの群れの管理に関しては、DNA鑑別法を用いたニホンザルの群れの分布拡大過程の解明方法やニホンザルの行動圏データと被害地域の環境地理データ(GISデータ)から被害発生要因を明らかにする手法の開発があります。
  今回開発された、ニホンザルによる農林業被害の軽減に向けた技術が、多くの地方自治体等によって広く利用されることが期待されます。



      パンフレットはこちらから(PDFファイル:7,068KB)          


独立行政法人 森林総合研究所  理事長  大熊 幹章
研究推進責任者: 森林総合研究所  野生動物研究領域長 川路 則友
      Tel:029-873-3211(内線414)
研究担当者   : 森林総合研究所 関西支所 生物多様性研究グループ長 大井 徹
      Tel:075-611-1201  
      Fax:075-611-1207
広報担当者   : 森林総合研究所  企画調整部  研究情報科長 上杉 三郎
      Tel:029-873-3211(内線225)  
      Fax:029-873-0844

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