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令和4年3月23日
日本の人工林面積の半分以上は主伐期を迎え、今後の再造林は、地域特有のニーズによるもの以外は、原則として特定母樹に由来する苗木により行うとされています。特定母樹は、従来のものより成長(単木材積)が優れている等の基準を満たすものが指定されていることから、特定母樹に由来する苗木は、従来の種苗と比較して成長が優れることが期待されています。林木育種センターでは、精英樹同士の交配による子供の中から成長に優れた個体として選抜したエリートツリーを特定母樹に申請しています。
エリートツリーや特定母樹に関心のある方から、「成長がよいと聞くが、エリートツリーから生産される苗木は、従来の苗木や地元産の苗木に比べて、どれくらい成長がよいのだろうか」、「土地の気候・風土に合って育つだろうか」という声がよく聞かれます。こういったことから、エリートツリーや特定母樹に由来する苗木の普及を促進するために、これらの苗木の優れた特性を造林関係者や苗木生産者に確認していただきやすい林分として、展示林を整備していくことが重要だと考えています。
林木育種センターでは、道県、市町村、民間企業、国有林、森林整備センター、篤林家と連携しながら、スギ、ヒノキ、カラマツ等の樹種について、エリートツリーや特定母樹等に由来する苗木を植栽した展示林を設定しています。今後、これらの展示林の活用を通して、エリートツリーや特定母樹に由来する苗木の特性を見て理解を深めていただくことにより、特定母樹の普及の促進に貢献していくことができればと考えています。
(育種部 育種第二課)
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写真1.高知県大豊町で森林整備センターと連携して設定した共同試験地における現地検討会の様子 現地検討会には、森林組合や種苗生産者、県の職員等65名が参加。 |
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写真2.民間企業と連携して富士山山麓に展示林を設定するための現地調査の様子 | 全国に設置された特定母樹等展示林の位置(令和4年6月現在) |
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