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更新日:2022年4月27日

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特定母樹等の原種苗木を生産するための育成温室を建設しました

令和4年4月27日

日本の人工林の半数以上は主伐期を迎え、先人たちが造成し世代を超えて育てられてきた森林資源を有効活用すると同時に、計画的に再造成すべき大きな転換期を迎えています。主伐後の再造林を着実に進めていくためには、優良な種苗の安定的な供給の確保が不可欠です。平成25年に改正された「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」(間伐等特措法)に基づく国の基本指針では、今後の再造林は、地域特有のニーズ以外は、特定母樹からの苗木により行うという考え方が示されています。林木育種センターは、382種類の特定母樹を開発・保有し、毎年都道府県及び同法に基づき都道府県知事の認定を受けた事業者(認定特定増殖事業者)に対し、その原種苗木を配布しています。特定母樹の原種配布本数は年々増加し、令和2年度と3年度は1万本以上に達している状況で、今後も要望数に対して安定的に生産・配布していく必要があります。

特定母樹等の原種苗木の安定供給のため、林野庁補助事業の中で、短期間に原種苗木を大量に生産するための技術開発を行っています。そのためには、植物の年周性を理解しながら、適期に気温、日長、水分、CO2等をコントロールすることが重要です。林木育種センター(茨城県日立市)では、令和4年3月に、原種苗木の安定供給のための特定母樹等育成温室を建設しました。この温室は4つの育成温室と1つの準備室、出荷まで原種苗木を長期貯蔵するための2つの大型冷凍コンテナで構成されています。育成温室では、夏の気温は外気温より低く、冬の気温は高く設定することができます。また、日長、潅水、CO2についても、自動で制御することができます。従来の苗畑での原種苗木の生産を補完するような形で、この施設を活用し、特定母樹等の原種苗木の安定供給に貢献していきたいと考えています。

 

特定母樹等育成温室の外観 特定母樹等育成温室の室内
特定母樹等育成温室の外観 特定母樹等育成温室の室内

 

(育種部 育種第二課)

特定母樹等の原種苗木を生産するための育成温室を建設しました(PDF:380KB)

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