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更新日:2022年5月25日

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優れた特性を有する原種苗木の配布に向けた取組

令和4年5月25日

我が国の森林は戦後造林された人工林等が主伐期を迎えており、主伐後の再造林にあたって成長が早い、花粉が少ない、病虫害に強いなどの性質をもつ優良な苗木の植栽が求められています。このような状況を受けて昨今では花粉症対策品種等に加え、下刈り省力化等の低コスト化が期待できるエリートツリー由来の特定母樹の原種苗木への配布要望が増えています。

林木育種センター(茨城県日立市)では、林木育種事業により開発した新品種の原種苗木を増殖し、採種園・採穂園の造成や改良を目的として、主に関東育種基本区内の都県(※1)及び都県が認定する認定特定増殖事業者(以下、都県等という)に配布しています。さし木やつぎ木により増殖を行い、おおむね1~2年苗畑で養苗し、採種園等に植栽可能なサイズに成長した苗木を配布しています。令和3年度はスギ、ヒノキ、カラマツ、クロマツの4樹種について、2,668本の苗木を配布しました(※2)。

配布において最も重要なことは、優れた特性を有する系統を誤りなく正しく配布することです。系統の違いは外見では見分けられないため、さし木・つぎ木の段階から1本ずつ個体番号を付けて管理しています。こうした系統管理を効率的に行うため、林木育種センターでは電子野帳を導入しています(写真)。
今後とも都県等の要望に応じ、よい苗木を配布できるよう原種の着実な増殖・育成に努めていきます。

 

電子野帳を使用した掘取作業 電子野帳を使用した掘取作業
写真.電子野帳を使用した掘取作業

 

 

※1:福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県

 

※2:林木育種センター及び長野増殖保存園から都県等へ配布した本数

(なお、北海道、東北、関西、九州の各育種場においても、それぞれが担当する各育種基本区内の道府県等の要望に応じた原種苗木等の配布に向けた取組を行っています。)

(育種部 原種課)

優れた特性を有する原種苗木の配布に向けた取組(PDF:399KB)

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お問い合わせ

所属課室:森林総合研究所林木育種センター育種企画課 

〒319-1301 茨城県日立市十王町伊師3809-1

電話番号:0294-39-7002

FAX番号:0294-39-7306

Email:ikusyu@ffpri.affrc.go.jp