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令和5年9月13日
令和5年1月に、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が実施する「サクラサイエンスプログラム」を利用して、モンゴル科学技術大学の教員及び学生が林木育種センターを訪問しました。今回、林木育種センターのスタッフ3名が、モンゴル国における森林・林業の状況、カラマツを中心とした研究施設の育種の実態及び苗木生産の状況等を調査するため、6月25日から7月2日までモンゴル科学技術大学や林木の増殖施設を訪問しました。
さて、モンゴル国というと皆さんはどんなことを想像するでしょうか?見渡す限りの草原、チンギスハーン、大相撲の横綱たち・・・。あまり樹木、林木をイメージされる人はいないと思います。実際、空港について周りを見ると、樹木のない草原、山々が目の前に広がり(写真1)、国会議事堂の建物にはチンギスハーンが鎮座し、大相撲で横綱を張った朝青龍がビジネスマンとして大活躍していました。しかしウランバートルの街中に入ると街路樹としてヤナギやマツ、カラマツなどが植栽されており、モンゴル国北部のほうに行くと山々にはカラマツやアカマツの森林が広がっていました。モンゴル国は、我々が思うより「森林」を保有する国だったのです。
「森林」を持つモンゴル国ですが、その植林に対するイメージは日本人がイメージするものとは大きく異なると思われました。日本で植林と言えば、木材生産のため山野に大規模かつ面的に樹木(針葉樹)を植栽する、造林というイメージを持たれる方も多いと思います。モンゴル国では、(1)劣化・伐採した場所に植生回復のため群状に、(2)道路or農地沿いにこれを保全するため帯状(写真2)に、(3)都市緑化のため点・線的に、(4)家屋周辺に、果樹採集のため点状に樹木を植栽することが植林でした。
モンゴル国は、森林が国土の12%ほどしかなく、日本のような人工造林地も少なく、そのほとんどが天然林であり、天然林を伐採して、木材を生産しているようです。しかし、今回は訪問しなかったのですが、モンゴル国の南部では、ザクという種類の灌木の植林が行われているようです。
モンゴル国は2030年までに苗木10億本の植林という国を挙げての植林運動が行われています。そのため、共同体や苗畑業者の苗畑では、カラマツやマツ類、そして様々な広葉樹(ニレやヤナギ類)の苗木が育てられていました(写真3)。苗畑の設備や育苗技術は様々でしたが、10億本植林運動のために精力的な苗木育成が行われているようです。
モンゴル国における森林・林業および林木育種事情を知ることで、林木育種センターがモンゴル国とどのような協力・共同作業ができるかを検討する事情調査ができたと思います。今後の進展が楽しみです。
(指導普及・海外協力部 海外協力課)
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| 写真1 見渡すかぎりの草原と山々 | 写真2 道路沿いの道路脇保全のための植林 | 写真3 苗畑業者の広葉樹の苗木育成 |
モンゴル国へ林木育種事情調査に行ってまいりました(PDF:708KB)
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