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令和5年12月27日
関東育種基本区の原種配布も担っている林木育種センターでは、育種基本区内の都県等からの要望に応じて種苗の増殖や採種園等の造成管理に関する講習や技術指導を行っています。ここでは、今年度実施したカラマツ採種園とスギミニチュア採種園の管理についての技術指導等の例をご紹介します。
一つ目は、カラマツ採種園の管理技術等についてです。技術指導を行った採種園は、吾妻森林管理署、群馬県林業試験場及び林木育種センターの3機関が協定を締結し、安定的に種子を確保するための各種取組を行っている採種園です。今年度は現地において吾妻森林管理署職員と群馬県林業試験場担当者を対象に技術指導を3回行いました。
まず、6月上旬に、翌年の着花を促進するための環状剥皮や施肥を実施しました。実施にあたって、その目的や実際の剥皮方法を実演して理解を深めてもらいました。
次に、同月下旬に、今年のカラマツの球果の着生調査について、双眼鏡を使って同一樹木を3方向から確認して5段階で指数評価を行う方法等の指導を行いました。
その後、8月上旬に、着果が見られた個体の球果を実際に採取し、球果を切断して白い胚乳の数を数えて種子の充実具合を判定する指導を行いました(写真-1)。この調査では、これまで胚乳を肉眼で見ていましたが、今回からスマートフォン等で撮影して(写真-2)、切断部を拡大した画面で確認するという新たな手法を指導しました。これにより、スピーディーかつ、より正確な判定が行えるようになりました。
二つ目は、岐阜県におけるスギミニチュア採種園の管理技術等についてです。6月に、岐阜県の採種園がある白鳥林木育種事業地において、岐阜県の担当者、現場管理者及び作業員を対象にスギミニチュア採種園の管理技術、ヒノキのミニチュア仕立ての剪定、アカマツ採種木の剪定について、講習を行いました。
スギミニチュア採種園は、植栽後おおむね3年目以降は、3年間の施業サイクル(整枝剪定による萌芽枝育成[1年目]→着花促進処理[2年目]→採種[3年目])を繰り返して管理します。講習では、この施業サイクルや樹形誘導に関する講義を行い、その後、採種園において実技を実施しました。スギの整枝剪定については、1回目の施業サイクルでは着花促進前に採種木から種子採取など作業がしやすい高さに調整を、2回目は球果採取後に枝の長さや間引きなどによる骨格決めを、3回目以降は球果採取後に樹形維持と採種量を確保するための萌芽枝の育成を主目的として行うことを説明しました。
今回は1回目と2回目で行う断幹や剪定の仕方を中心に実演(写真-3)しながら理解を深めてもらいました。また、剪定やジベレリン処理後は採種木の樹勢が衰えるため、施肥による樹勢回復も重要であることを併せて説明しました。
以上、今年度の技術指導等のうち、二つの例をご紹介しましたが、今後も都県等の要望に応じた林木育種事業に関する技術指導等をわかりやすく効果的に実施できるよう努めていきたいと考えています。
(指導普及・海外協力部 指導課)
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| 写真-1 種子充実率の判定指導 | 写真-2 切断部撮影状況 | 写真-3 整枝剪定の技術指導 |
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