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令和6年6月28日
林木育種センターでは、貴重な遺伝資源の保存を図るとともに、品種改良等に活用することを目的とした林木ジーンバンク事業を実施しています。その一環として、自然災害による被害や加齢等で樹勢が衰えた天然記念物や巨樹・名木等を対象に、これらと同じ遺伝子を持つ後継樹を増殖し、現地に里帰りさせる取組である「林木遺伝子銀行110番」を平成15年度から行っています。令和5年度末時点で全国では255件、関西育種場では112件の後継樹の里帰りを実施してきています。今回は令和5年度に里帰りした3件のうち、令和5年10月に里帰りした「教林坊のモミジ」と令和6年3月に里帰りした「口大屋の大アベマキ」について紹介します。
「教林坊のモミジ」は、滋賀県近江八幡市の「教林坊」に所在する、樹高約6m、樹齢約100年のイロハモミジです。教林坊は、西暦605年に聖徳太子によって創建されたと伝えられる歴史ある寺院であり、「石の寺」とも呼ばれています。「教林坊のモミジ」は、その境内に植栽されたもので、毎年、秋の紅葉シーズンにはライトアップされ、紅葉の名所として地域の人々から大変親しまれています。
しかしながら、近年、「教林坊のモミジ」の1本が根腐れにより、樹勢が非常に衰えていました。(現在は枯死)
このことから、教林坊から関西育種場に対し、「教林坊のモミジ」の後継樹の増殖要請がありました。令和元年10月に関西育種場職員が現地で7本の枝を採取し、その枝をもとに、同年10月に13本をつぎ木した結果1本が成功しました。令和4年の1月にその苗木からさらに増殖用の枝を採取し、同年3月につぎ木したところ9本の苗木増殖に成功しました。このうち順調に生育した後継樹3本が令和5年10月30日に教林坊に里帰りし、その様子はテレビ等のメディアでも報道されました。
兵庫県養父市に所在する「口大屋の大アベマキ」は、国指定天然記念物に指定されている樹高約16m、幹廻り約5.6m、樹齢約400年の巨木で、枝張りもよく、風格もあり、地域の人々から「山神の宿木」と呼ばれて大切にされているアベマキです。
しかしながら、カシノナガキクイムシの被害を受け、樹勢が大きく衰退する恐れがありました。(現在は防虫対策により樹勢を維持)
このことから、養父市長から関西育種場に対し、「口大屋の大アベマキ」の後継樹の増殖要請がありました。令和3年2月に関西育種場職員が現地で枝を採取し、その枝をもとに、同年3月に37本をつぎ木した結果9本が成功しました。このうち順調に生育した後継樹2本が令和6年3月8日に里帰りとなりました。贈呈式と植樹式の様子は養父市ケーブルテレビや新聞等のメディアでも報道され、地元の方の「口大屋の大アベマキ」に対する強い愛情と熱意を感じました。
今後もこの取組を継続し、地域の方々に守られてきた貴重な樹木の遺伝資源を後世に残すことに貢献していきたいと考えています。
(関西育種場)
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左写真:「教林坊のモミジ」後継樹を教林坊住職に手渡し 右写真:「口大屋の大アベマキ」贈呈式 中区区長(左)、養父市教育委員会教育長(右) |
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左写真:「口大屋の大アベマキ」植樹式 中区区長(右) 右写真:「口大屋の大アベマキ」植樹式後に中区民の方々とシカ保護柵設置(原木を背に撮影) |
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林木遺伝子銀行110番―「教林坊のモミジ」と「口大屋の大アベマキ」の里帰り―(PDF:857KB)
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