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更新日:2025年7月1日

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ヒノキのジベレリン埋込処理に向けた準備作業

令和7年6月30日

九州育種場では、ヒノキ第3世代精英樹の創出に向けて第2世代精英樹等の人工交配を進めるに当たり、着花を促進する植物ホルモンであるジベレリンによる処理を今年と来年の夏季に行い、種子を採種する計画です。

今回、ジベレリンをペースト状にした薬剤を枝に埋込処理(以下「ジベレリン埋込処理」という。)する前作業として、令和7年4月15日(火曜日)午前中に九州育種場職員13名で場内に保存しているヒノキ第2世代精英樹候補木を中型の採種木仕立てに誘導し、種子採種が容易にできるよう以下の作業を行いました。

 

1.2025年のジベレリン埋込処理木

今夏にジベレリン埋込処理を実施する区画では、1本の採種木から程良い太さの枝で、幹に対して枝が斜め上方向に生えているもの、葉の量が多い枝を3本ずつ選び出し青テープで目印を付けました(写真1)。

写真1今年度処理枝の選別(青)
写真1 今年度処理枝の選別(青)

 

2.2026年のジベレリン埋込処理予定木

翌夏にジベレリン埋込処理を実施する区画では、翌夏に程良い太さになりそうな枝で、幹に対して枝が斜め上方向に生えているもの、葉の量が多くなりそうな枝を1本の採種木から3本ずつ選び出し赤テープで目印を付けました(写真2)。

写真2来年度処理枝の選別(赤)
写真2 来年度処理枝の選別(赤)

 

3.共通の作業

ジベレリン埋込処理枝(以下「処理枝」という。)として選ばなかった枝については、次の条件で剪定を行いました。

  • 昨年、断幹した部分に近い枝については、上に向かって立ち上がり葉量が多くなる傾向があります。そのため、樹冠下部への日射しを確保するために、やや強めの芯止めを行いました(写真3)。
  • 幹に対して鋭角に伸びている枝についても、伸びる勢いが強く比較的葉量が多いため、処理枝への日射しを確保するために芯止めを行いました。
  • 処理枝として選ばなかった普通枝(横枝)の一部は、処理枝への日射しを確保するため切り戻し剪定を行いました(写真4)。
  • 重複枝や下垂枝などは、日射し確保や風通しを良くするため間引き剪定を行いました。
写真3上部枝の間引き剪定 写真4来年度処理木の枝剪定
写真3 上部枝の間引き剪定 写真4 来年度処理木の枝剪定

 

 

 (九州育種場)

ヒノキのジベレリン埋込処理に向けた準備作業(PDF:638KB)

 

 

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