ホーム > 研究紹介 > 研究トピックス > 第15回国際植物バイオテクノロジー学会 Best Paper Award受賞(七里 吉彦、佐藤 良介、上野 真義、遠藤 圭太、髙田 直樹、小長谷 賢一、谷口 亨 他)
更新日:2023年10月5日
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1.受賞名 | Best Paper Award(受賞日2023年8月10日) |
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2.受賞者の氏名、所属 | 七里吉彦(森林バイオ研究センター) 佐藤良介(森林バイオ研究センター) 上野真義(樹木分子遺伝研究領域) 田中淑乃(鳥取大学) 大村昂誠(鳥取大学) 遠藤圭太(林木育種センター) 遠藤真咲(農研機構) 髙田直樹(森林バイオ研究センター) 岩﨑崇(鳥取大学) 小長谷賢一(森林バイオ研究センター) 谷口亨(森林バイオ研究センター) |
3.受賞理由 | 韓国で開催された第15回国際植物バイオテクノロジー学会において、"Development of a Genome Editing System in Japanese Cedar (Cryptomeria japonica D. Don) using the CRISPR/Cas9 System"(スギにおけるゲノム編集システムの開発)という演題でポスター発表を行った。内容は、スギのゲノム編集による無花粉化や、細胞にタンパク質を直接導入することによる遺伝子組換えを介さないゲノム編集システムである。本発表がおよそ300演題のポスター発表のなかから特に優れているもののひとつとして評価され本賞の受賞に至った。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
ゲノム編集技術は狙った遺伝子領域のみを特異的に改変する技術であり、CRISPR/Cas9システムは2020年度のノーベル化学賞に選ばれている。CRISPR/Cas9システムを主要林業樹種であるスギに適用し、花粉形成に関わる遺伝子をゲノム編集により改変し、無花粉スギの作製に成功した。 細胞にタンパク質を導入する方法として、動物細胞では微小ガラス管を用いた"マイクロインジェクション"法などが確立しているが、細胞壁に覆われている植物細胞では効率的な導入方法は確立していない。今回、細胞膜を透過する特殊な性質をもつポリヒスチジンを利用して、ゲノム編集酵素をスギ細胞に直接導入し、標的遺伝子の改変に成功した。本研究は遺伝子組換えを利用しないゲノム編集系の確立など幅広い用途に応用可能である。なお、本成果は国際特許出願済みである(PCT/JP2021/046845)。 【論文書誌情報】 Tanaka, Y., Nanasato, Y., Omura, K., Endoh, K., Kawano, T., & Iwasaki, T. (2021). Direct protein delivery into intact plant cells using polyhistidine peptides. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 85(6), 1405-1414. |
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