広葉樹林化実現に向けて
目的
人工林へ広葉樹を導入するための技術が本研究によって蓄積されていますが、これらの知識を正しく使うためには解析と情報の整理が必要です。「施業モデルの開発」では、人工林を広葉樹林へ誘導するための具体的な技術をまとめる部分を担当しており,大きく以下の2つのテーマを設定しています。
(1) 検証システムの開発
今までの天然林施業では、更新結果を3〜5年程度の期間でしか検証されなかったために、広葉樹が更新できたと判断された林分が10-20年後に目的とした広葉樹の密度が不十分な事例があることが明らかになってきました。そこで、現場で作業する人が実行可能な現実的な更新検証システムを開発し、人工林への広葉樹の誘導化が予測より遅れた場合の対応が即座に行えるような、検証−誘導化のための技術体系をまとめます。
(2) 誘導施業モデルの作成と普及化
本研究の成果として、これまでの技術や開発した施業オプションなどをまとめることによって、省力的で環境への負荷を低減した誘導施業のモデル化を図ります。このモデルは、森林所有者や関係者が現実的な施業を選択して、広葉樹の誘導化を促進させると期待されます。そのために、作業現場で使い易くするための工夫や普及を積極的に行っていきます。

|