試験体は複層の伝統架構の初重柱4本からなる1層1スパンの実大立体架構で、柱の
傾斜復元力特性の検討を目的としている。伝統木造
架構の中で試験体を抜き出した位置は側通り架構の一部分で、桁行方向を水平加力方向としている。
桁行方向スパンは5022mm、妻行方向スパン4431mm、初重柱高さを5317mmとしている。柱は
礎石の中央に
ダボを入れ、そこに直接設置している。試験体の
斗組は、柱への水平力導入条件を現実に合わせるために
1段としている。試験体の材料は、全て国内
吉野産の
桧を用いている。 加力は通肘木上にピンを介して設置した冶具を、反力床に固定した別の冶具から伸びるPC鋼棒 で結び、そのPC鋼棒をオイルジャッキによって引き下げて、上部架構・積載荷重に相当する 鉛直力を柱軸線上に加える。その一方で、試験体を囲む水平加力冶具に通肘木の端部を繋ぎ、 その水平加力冶具を反力壁から伸びる2本のオイルジャッキで押し引きすることで水平力を 与えている。 試験体平面図、 立面図。 加力装置平面図、 立面図。 定点観測、 定点観測その2。 写真アルバム。 |
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試験体は伝統架構初重柱の上に載る斗組の桁行方向
1スパン分を取り出した実大スケールのものである。試験体は下から、
大斗、
方斗、
肘木、
巻斗、
通肘木から構成され、2段ある
通肘木の間には
間斗束が配置されている。
全長は7972mm、幅2360mm、高さ2006mmである。
スパン(大斗の中心間距離)は5022mmで、実大架構実験の
桁行方向スパンに合わせてある。2つの大斗は水平力が
作用したときに滑りや浮き上がりを生じないように床に冶具を介して緊結されている。試験体に
使用した材料は、大斗のみが
米栂、他の部分は全て国内
吉野産の
桧である。 試験体平面図、 立面図。 加力装置平面図、 立面図。 実験写真:試験体組立、 加力装置組立、 試験体組立の様子。 定点観測:試験体組立、 加力装置組立。 写真アルバム。 |
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