市販木毛セメント板の吸湿および曲げ試験

今村浩人

要旨

 遮音性,断熱性に優れている木毛セメント板は、原料が木材とセメントという資源的な利点をもっている。しかし、市販品の物性に関する資料は極めて少ない。本研究は2社の製品について吸湿試験および曲げ試験を行ったものである。主な結果はつぎのとおりである。木毛セメント板の平衡合水率および厚さ膨潤率は比重(単位体積Vs当たりの重さWs)が大になるほど低くなる。なお、木毛に対するセメント硬化物の重量比は比重とともに小になる。曲げ強さ(σ)およびヤング係数(E)は比重とともに増大する。木毛セメント板の長辺方向のσEは、短辺方向におけるものより大きく、この傾向は比重が大になるほど小さくなる。σEは、単位体積当たりの木毛量(Vw/Vs)とセメント硬化物の量(Vc/Vs)の関数で表わされる。

全文情報(1,005KB)