兵頭正寛
非皆伐施業に適した集材機を開発するため,普通形集材機の機構を対象として,電圧と電流,原動 機と制御,油圧回路と電気制御,有線あるいは無線による遠隔制御,集材機の作動とパルス数などに検 討を加え,2〜3胴形集材機に自動制御回路を組込み,クローラ形足回りをもたせ,有線あるいは無線によ る遠隔制御ならびに自走の可能な,自走式自動制御形集材機の考案試作を実施した。
開発試作し た機種は,一般間伐材搬出用として動力源および動力伝達部ともに油圧式を採用した全油圧式の17PS自 走式自動制御形集材機(中荷重用),択伐材の搬出あるは気球集材用として,動力伝達部のみに油圧式 を採用した半油圧式の100PS自走式自動制御形集材機(重荷重用)および小径間伐材搬出用として動力 伝達部のうち巻胴の正逆転および変速部は機械式で制動およびクラッチのみに油圧式を採用した8PS自 走式自動制御形集材機(軽荷重用)の3機種である。
これらの機種は,いずれも動力伝達部に油圧 電磁弁を採用し,この電磁弁を電気的に制御し,且つ各種の安全を保持する回路を考案することにより, 有線あるいは無線で,数種の索張り方式による集材機集材に使用することができる。モノケーブル式索張 りの場合,荷掛終了後にスイッチを1回押すだけで荷は上昇・移動し,自動的,且つ安全に荷卸場に到着 することができる。また制御盤スイッチを切換え,ある索張り方式専用のスイッチボックスと取換えることに よって,専属の運転手なしに荷掛手あるいは荷卸手の手によって数種の索張り方式による集材機集材作 業を能率的に行うことができる。なおこれら各機の作業性能については,現地試験によりその実用性を確 かめることができた。
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