研究成果選集

平成22年版 研究成果選集 2010

平成22年版 研究成果選集 2010を一括ダウンロード（PDF：18,059KB）

重点研究 アア 地球温暖化対策に向けた研究

アアa 森林への温暖化影響予測及び二酸化炭素吸収源の評価・活用技術の開発

• 台風被害による森林生態系のCO₂ 放出量の増加（PDF：3,218KB）
   台風被害をうけた落葉広葉樹林において、風害以前は光合成によるCO₂ 吸収量が土壌や枯死木によるCO₂ 放出量を上回っていました。しかし風害後は両者が逆転し、森林生態系としてCO₂ の放出に変化することが判りました。
• シベリアのタイガでは下層植生が森林の炭素循環を左右する（PDF：1,184KB）
   中央シベリアの永久凍土地帯の落葉タイガにおいて、林床を覆う地衣やコケなどの下層植生が土壌の温度環境へ及ぼす影響を調べ、森林全体の炭素循環に重要な役割を果たしていることを明らかにしました。

• 2050 年までのスギ林の炭素吸収量を予測する（PDF：1,428KB）
   森林の炭素循環モデルを開発し、スギ林を対象に2050 年までの炭素吸収量の変化を予測しました。

• 針葉樹11 種の温暖化に対する脆弱性の評価（PDF：1,018KB）
   日本に分布する針葉樹11 種について、温暖化が生育地に与える影響を予測し、温暖化に対して脆弱な種と地域を明らかにしました。   

アアb 木質バイオマスの変換・利用技術及び地域利用システムの開発

• 木質バイオマスの大量収集に適した地域を特定する（PDF：978KB）
   林地残材や製材工場残材等の木質バイオマスの発生量と供給コストから供給可能量を推計し、発電所やエタノール工場等の大規模プラントの設置に適した地域を推定しました。

重点研究 アイ 森林と木材による安全・安心・快適な生活環境の創出に向けた研究

アイa 生物多様性保全技術及び野生生物等による被害対策技術の開発

• 広葉樹の遺伝的多様性を守るために（PDF：1,031KB）
   広葉樹の遺伝的多様性を保全するために分布域全般の遺伝的多様性や遺伝的な違いを明らかにして、主要広葉樹について種苗の移動範囲を示す遺伝的ガイドラインを提案しました。  

アイb 水土保全機能の評価及び災害予測・被害軽減技術の開発

• 岩手・宮城内陸地震によって発生した土砂災害の特徴と発生機構（PDF：1,384KB）
   岩手・宮城内陸地震で発生した崩壊の地質、地形的影響について解析を行い、火山地帯特有の堆積構造が特に影響を与えていることを明らかにしました。この結果をもとに地質・地形別の発生率から危険度マップを作成しました。

アイc 森林の保健・レクリエーション機能等の活用技術の開発

• 森林生態系が社会にもたらす様々なサービスの評価に関する研究（PDF：2,374KB）
   広葉樹林には生物多様性が社会に大きな恩恵をもたらす昆虫類が多く、山菜やキノコの採取もさかんです。また、森林資源に依存する地域住民ほど、森林保護よりも利用を重視していることがわかりました。 

重点研究 アウ 社会情勢変化に対応した新たな林業・木材利用に関する研究

アウb 消費動向に対応したスギ材等林産物の高度利用技術の開発

• シイタケのひだ褐変化に関わるラッカーゼ遺伝子の染色体上での位置の決定（PDF：931KB）
   シイタケの収穫後のひだの褐変化は、シイタケの商品価値を著しく下げるため、褐変化のしにくい品種を育成することが求められます。そこで、シイタケのひだの褐変化に影響するラッカーゼ遺伝子の染色体上での位置を決定しました。

重点研究 イア 新素材開発に向けた森林生物資源の機能解明

イアa 森林生物の生命現象の解明

• 貴重なヒノキ天然林の遺伝的特徴を評価する（PDF：1,096KB）
   ヒノキの森林面積のうち天然林はごくわずかです。分布範囲全体を網羅するように北限のいわきから南限の屋久島まで、25カ所の天然林の遺伝的な特徴を明らかにしました。  

重点研究 イイ 森林生態系の構造と機能の解明

イイa 森林生態系における物質動態の解明

• タワーフラックス観測によるフラックス・気象データの公開（PDF：3,081KB）
   国内6 か所の森林で行っている大気から吸収する二酸化炭素の量（フラックス）の観測結果をデータベース化し、森林総合研究所のウェブサイトを通じて公開しました。

イイb 森林生態系における生物群集の動態の解明

• 生物の種を超えた遺伝子の転移
   -マツノマダラカミキリの常染色体上に寄生細菌ボルバキアの遺伝子を発見-（PDF：1,104KB）
   マツノマダラカミキリの常染色体上に昆虫類の寄生細菌として知られるボルバキアの遺伝子が大規模に転移していること、すなわち生物の種の壁を超えて遺伝子が水平転移していることを突き止めました。

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