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更新日:2025年7月7日

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実証実験・保持林業―広葉樹を残して生き物を守る―

「実証実験・保持林業―広葉樹を残して生き物を守る―」表紙の写真

  • 編著:山浦悠一(四国支所 森林生態形変動研究グループ 主任研究員)
    山中 聡(北海道支所 森林生物研究グループ 主任研究員)
  • 発行元:築地書館
  • 定価:2,500円(税抜き)
  • 発行日:2025年6月
  • ISBN:978-4-8067-1686-0
  • 内容:森林を伐採する際、生物多様性や生態系の保全の観点から、意図的に一部の樹木を残す手法は、「保持林業」と呼ばれます。
    2018年、私たちは保持林業の考え方や、当時の研究動向をまとめた初の書籍を出版しました1)。本書はその後継に当たり、2011年から議論と計画を重ねて進めてきた、北海道の道有林における保持林業の大規模な実証実験の成果についてまとめたものです。本実験では、針葉樹人工林を伐採する際に、一部の広葉樹を残すことで、生物多様性を保全しつつ木材を生産できる可能性が示されました。各章で、その具体的な成果について丁寧に紹介していますので、ぜひご覧ください。また本書では、保持林業が木材生産性に与える影響、現場作業を担当した事業体や道有林の担当者の感想、民有林で独自に進められていた保持林業の事例、高知県での実践の様子なども、平易かつ簡潔に紹介しています。保持林業の理念と現場での実践をつなぐ一冊として、現場関係者、研究者、そして森林や林業に関心のある方々に広く読んでいただければ幸いです。

    1) https://www.ffpri.affrc.go.jp/books/2018/20181226hojiringyo.html

<目次>
はじめに
第1部 序論
第1章 なぜ今、保持林業か?……山浦 悠一*

第2部 大規模実験の成果
第2章 保持林業の木材生産性……尾崎 研一*
第3章 保持木の生残……明石 信廣・雲野 明
第4章 下層植生……明石 信廣
第5章 外生菌根菌……小長谷 啓介*
第6章 地表性甲虫……山中 聡*
第7章 コウモリ……河村 和洋*・赤坂 卓美
第8章 鳥類……山浦 悠一*・雲野 明
コラム1 ポツンと残された孤立木で営巣するクマゲラ……雲野 明
コラム2 ヨタカ─伐採で守る遷移初期種……河村 和洋*

第3部 実験のとりまとめと振り返り
第9章 実証実験の10年間の成果をまとめて……尾崎 研一*
第10章 保持林業を現場で作業して……髙篠 和憲・伝法 和也・佐藤 雅彦
第11章 道有林で保持林業を実践して……峯岸 敏行

第4部 保持林業の実践
第12章 北海道の社有林で保持林業を実践して……髙森 淳
第13章 高知県のスギ・ヒノキ人工林で保持林業に取り組んで……瀨戸 美文・富田 幹次・山浦 悠一*

第5部 今後に向けて
第14章 保持林業の課題と展望……山浦 悠一*
おわりに
用語解説
索引

*当所職員

 

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