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ホーム > 研究紹介 > 刊行物 > 林業試験場関西支場年報第1号

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林業試験場関西支場年報第1号

昭和34年度

序にかえて

われわれの研究対象は林野行政に直接つながる応用研究に限られる。農林水産技術会議が策定する国策に沿う研究目標にしたがって、試験研究機関としての本場、支場が緊密に連携して研究項目を決定する順序をふむが、研究者としての自主性は、研究企画とその実施の間に十分尊重されるはずである。研究の成果は研究報告として随時林業試験場本場から刊行され、配布リストに基いて関係方面に贈られるが、入手希望の向きに対する除も別に開けている。

この年報は”研究報告”の性格を離れて、前年度中の研究の歩みを顧み、施設や研究活動の状況を広くお知らせして、指導鞭撻とご支援を期待するのが目的であるが、関係研究機関との情報交換に大きく役立ちたい希望である

当支場が従来最も重視してきた題目は、瀬戸内沿岸を主体とする”せき悪林地”の緑化と生産性の向上、および資源対策としての”さし木の生理的研究”にあったが、第一次緑化とさし木の基礎的研究は一応当初計画終了の段階となり、目下は第二段階として、石英粗面岩地帯の造林、第一次緑化地の経済林誘導とあわせて将来の原料材資源対策としてのフサアカシヤの検討、選抜育種の一環としてのマツ類のさし木試験等を積極的に推進しつつある。重要業務として、国有林各種収穫試験地の定期調査を始めとして、本・支場共同研究の一環を担うアカマツ保育形式比較試験、林地肥培試験、マツカレハ発生消長調査、各種森林病虫害の生態的防除試験ならびに指導、および岡山分場の理水試験と経済的治山工法試験等が数えられる。

本年報の内容は、これらの中間報告や断片的成果の摘記にとどまり、期待される文献価値に欠けることをおそれるが、われわれの研究過程は十分知悉していただけることを信ずる。これにより研究企画の妥当性、方法の過誤などについてのご指摘と、年報自体の不備などについて、おおかたのご叱声が得られれば幸甚である。

昭和35年11月

林業試験場関西支場長西村太郎

目次

1.概要

  1. 研究項目系統表・・・・・・・・・・(2)
  2. 試験地位置図・・・・・・・・・・(3)

2.研究の成果

  1. 水源かん養林の機能・・・・・・・・・・(4)
    • 植生焼失と流量へ及ぼす影響・・・・・・・・・・玉木廉士・近藤松一・小林忠一・岡本金夫(4)
    • 植生別最少流量の検討・・・・・・・・・・玉木廉士・近藤松一・小林忠一・岡本金夫(6)
    • ライシメーターによる蒸発散量の測定・・・・・・・・・・玉木廉士・近藤松一(6)
    • 工法別地表流下水量測定試験・・・・・・・・・・玉木廉士・近藤松一・小林忠一・小林治子(8)
    • 気象定時観測・・・・・・・・・・近藤松一・小林忠一・岡本金夫・小林治子(9)
  2. 土砂流出防備林の機能・・・・・・・・・・(9)
    • 林地草生地の流出土砂量の測定・・・・・・・・・・玉木廉士・近藤松一・岡本金夫(9)
  3. 瀬戸内地方の経済的治山工法・・・・・・・・・・玉木廉士・星川吉之助(11)
  4. はげ山の緑化試験・・・・・・・・・・(12)
    • はげ山における経済樹種の適応試験・・・・・・・・・・玉木廉士・小林忠一(12)
    • 経済樹種の耐陰試験・・・・・・・・・・玉木廉士・松田宗安(14)
    • 根りゅう菌の接種試験・・・・・・・・・・玉木廉士・松田宗安・小林忠一(15)
  5. 樹種の適性・・・・・・・・・・森下義郎・真部辰夫(15)
  6. せき悪地における造林法・・・・・・・・・・森下義郎・真部辰夫(17)
  7. せき悪地の土壌改良・・・・・・・・・・木下貞次・細田隆治(17)
  8. 第一次緑化地の生育衰退防止・・・・・・・・・・森下義郎・市川孝義(18)
  9. 肥料木の病害・・・・・・・・・・(18)
    • マメ科樹木のくもの巣病防除試験・・・・・・・・・・峰尾一彦・紺谷修治(18)
    • ヤシヤブシのくもの巣病に関する研究・・・・・・・・・・紺谷修治・峰尾一彦(20)
  10. 交雑育種・・・・・・・・・・(22)
    • マツ属の交雑育種・・・・・・・・・・森下義郎・大山浪雄・豊島昭和・杉村義一(22)
    • スギの交雑育種・・・・・・・・・・森下義郎・大山浪雄・豊島昭和・杉村義一(25)
  11. 広葉樹の育種・・・・・・・・・・(26)
    • フサアカシヤの育種・・・・・・・・・・大山浪雄・豊島昭和(26)
    • ヤマモモの育種・・・・・・・・・・大山浪雄・豊島昭和(27)
  12. さし木の活着・・・・・・・・・・(28)
    • さし木の枯損とその防止・・・・・・・・・・森下義郎・岩水豊(28)
    • さし木の発根能力とその増進・・・・・・・・・・大山浪雄(29)
  13. さし木の施肥・・・・・・・・・・(30)
    • さし木苗の形質に及ぼす施肥の影響に関する研究・・・・・・・・・・木下貞次・細田隆治(30)
  14. 苗畑土壌の改良・・・・・・・・・・吉本衛・衣笠忠司(31)
  15. スギの品質別環境調査・・・・・・・・・・吉本衛・衣笠忠司(32)
  16. 林地の養分天然供給量・・・・・・・・・・吉本衛・衣笠忠司(32)
  17. 肥料の合理的施用法・・・・・・・・・・吉本衛・衣笠忠司(33)
  18. 外国樹種の適応性・・・・・・・・・・森下義郎・真部辰夫(34)
  19. 施業試験・・・・・・・・・・(35)
    • 外国樹種による短期育成試験・・・・・・・・・・森下義郎・山本久仁雄(35)
    • フサアカシヤ苗木の移動に関する試験・・・・・・・・・・西村太郎(36)
  20. アカマツ天然林の作業法・・・・・・・・・・(41)
    • アカマツ天然林択伐作業収穫試験・・・・・・・・・・上野賢爾・山崎安久(41)
  21. スギ人工林の構造と成長・・・・・・・・・・(46)
    • 滑山スギ人工林収穫試験地・・・・・・・・・・上野賢爾・山崎安久(46)
  22. スギ人工林の構造と成長・・・・・・・・・・上野賢爾・山崎安久(53)
  23. ヒノキ人工林の構造と成長・・・・・・・・・・(54)
    • 滑山ヒノキ人工林収穫試験地・・・・・・・・・・上野賢爾・山崎安久(54)
  24. 竹林の作業法・・・・・・・・・・鈴木健敬・(61)
  25. アカマツ保育形式比較試験・・・・・・・・・・森下義郎・山本久仁雄(62)
  26. スギ林の野病発生環境調査・・・・・・・・・・紺谷修治・峰尾一彦(63)
  27. マツカレハの発生消長・・・・・・・・・・中原二郎・奥田素男・井上京子(64)
  28. 林野の病害防除試験・・・・・・・・・・(68)
    • スギ造林地の病害防除試験・・・・・・・・・・紺谷修治・峰尾一彦(68)
  29. 林野の害虫防除試験・・・・・・・・・・(70)
    • マツツマアカシンクイガの生態・・・・・・・・・・小林富士雄(70)
    • スギハムシに関する研究・・・・・・・・・中原二郎・奥田素男(71)
    • スギノハダニに関する研究・・・・・・・・・・中原二郎・小林富士雄(75)
    • カラマツヒメハマキに関する研究・・・・・・・・・・中原二郎・小林富士雄(77)
    • 京都市周辺の蜘蛛目録・・・・・・・・・・西村太郎(79)
  30. 竹林の病害・・・・・・・・・・紺谷修治・峰尾一彦(83)
  31. 民有林経営実態分析・・・・・・・・・・鈴木健敬(85)
  32. 病害鑑定診断ならびに防除対策研究指導・・・・・・・・・・紺谷修治・峰尾一彦・寺下隆喜代(86)
  33. 虫獣害鑑定防除指導・・・・・・・・・・中原二郎・小林富士雄・奥田素男(86)

3.1959年に研究員の発表した文献目録・・・・・・・・・・(88)

4.情報・・・・・・・・・・(89)

pdfファイルはこちらです。年報第1号(昭和34年度)(PDF:7,291KB)

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