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昭和44年度のわが国の経済は、前年度に引き続き好況に恵まれ、それに伴って木材需要も大幅に伸びてきた。
しかし、供給面は、国内生産が、ようやく頭打ちの傾向をみせ、需要の増大はそのまま外材輸入の増加となってあらわれてきた。しかも、その外材の増大は、それと競合する国産材の生産にも影響するようになり、今後、国内の木材供給体制の整備をいちだんと促進する必要が強く要請されるにいたった。
一方、山村からの人口流出は、依然として進行しており、局地的山地災害、また煙公害に対する樹木保全などの問題が今まで以上にクローズアップされるにいたった。
また、森林のもつ保健休養的機能に対する評価が高まるにつれて、森林を含む自然保護への要望が強まり、森林の開発や施業について、この面からの配慮もより以上に要請されるようになった。
このように、林業をとりまく諸条件の変化につれて、試験研究機関に対する要請も変化し増大する傾向にある。さらに一段と対応を強めてゆく必要があるだろう。
ここに昭和44年度の年報を刊行するにあたり、平素絶大なご協力を頂いている各方面の方々に、厚く御礼申し上げる。内容についてご検討をいただき、適切なご批判、ご叱正をいただければ幸いである。
昭和45年9月
林業試験場関西支場長梅原博
一括版のpdfファイルはこちらです。年報第11号(昭和44年度)(PDF:5,749KB)
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