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林業試験場関西支場
最近、林業をとりまく諸情勢は、日本経済が不況からの回復過程にあるとはいえ、景気回復が遅れており、又一方では高度経済成長の落し子である環境の汚染、破壊に対する批判も強く、まことに厳しいものがあります。
この時に当り、林業の生産性の向上、森林の適切な保護、管理、国土保全、水源涵養、環境保全等の技術開発に対する、林業関係者の関心、期待は従前に増して、大きいものと考えられ、国の研究機関として、責任の重大なることを痛感いたします。
当場は中国・近畿地方を管内とし、限られた人員、予算で、微力ではありますが、解決を要する多くの問題について、できるだけ早急に効果的、総合的な成果を挙げるため、本場や、九州、四国その他の支分場と共通の課題は共同研究を組織し、又地域内の各府県の林業関係の研究機関とも、研究分担をしながら、さらに密接な連携をはかり、各大学や国有林、林業経営者と詳細な情報交換のもとで、広い視野から研究を進めるように努力を続けております。
試験研究課題の中には短期間で究明できるものは、一般に少なく、大部分は研究なかばのものが多いわけですが、この1年間の研究活動の概要を皆様方に知って頂くことは、今後の研究の推進、技術の開発に役に立つものと思いますので、ここに昭和51年度に私共が行なった研究業務とその成果、ならびに当支場の各種の動きについて、概要を年報としてとりまとめ、お手元にお届けいたします。どうか業務の参考に供して頂きたいと存じますとともに、この年報をご覧いただき、研究目標、方法、成果についてのご批判、ご指導を賜わりますようお願いいたします。
また、これらの研究を進めるに当たって、ご協力、ご支援をいただいた、林業経営者、各府県庁、営林局署、林木育種場、大学その他関係機関の方がたに対し、この機会に厚く御礼を申し上げます。
なお、当支場も昭和22年大阪支場として、設置されてから30年を経過しました。51年11月には懸案であった共同研究棟の増改築も皆様のご配慮ご援助によって完成しました。これを機会に職員一同新たな決意をもって研究に専念いたしておりますことをご報告申しあげます。
昭和52年8月1日
林業試験場関西支場長細井守
一括版のpdfファイルはこちらです。年報第18号(昭和51年度)(PDF:5,185KB)
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