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丹後半島山間部の里山景観(京都府宮津市)
森林総合研究所は独立行政法人となって、平成16年度で4年を経過しました。独立行政法人通則法で定められた法人の中期計画の期間は平成13~17年度の5ヶ年なので、残る1年で今期の目標を達成しなければなりません。独立行政法人評価委員会林野分科会による平成16年事業年度の評価結果は、中期計画に対して概ね順調に計画を達成しているとの評価をいただきました。総括的な意見として「重要度・緊急度の高い研究課題に取り組んでいることは評価できる」とし、さらに「森林総合研究所は、森林・林業・木材産業にわたって組織的に研究できる我が国唯一の機関であることを職員一人一人が十分認識し、分野横断的な研究にも組織的に取り組まれることを期待する」との励ましもいただいております。
関西支所としても中期計画に沿って、研究や業務運営に精力的に取り組んだ一年でした。支所のメインテーマである「里山の保全・管理手法の開発」は、まさに分野横断的な研究ですが、これまで精力的に取り組んだ結果として、順次成果を得ている状況にあります。本年度は研究のアウトプットの一つとして、10月20日に支所研究成果発表会「里山の過去、現在、未来」を開催しました。当日は、台風来襲の悪天候にもかかわらず多数の人々に来聴いただき、深く感謝しています。また、3月には、小冊子「里山に棲む生き物」-滋賀県内の調査から-を2000部刊行し、関係機関、団体に配布しました。この他に研究成果を迅速に広報する方法として、研究成果のプレスリリースにも努めてきました。「サル探し・猿の声分析」、「マツ材線虫病抵抗性」、「はげ山百年」、「アカネズミとドングリのタンニン」などを支所の研究成果としてプレスリリースを行った結果、「サル探し・猿の声分析」が4月の日本農業新聞に、「はげ山百年」は10月の京都新聞に、それぞれ掲載され、また他の素材も森林総研本所ホームページの「研究最前線」に掲載されて、迅速な広報の目的を果たしています。
この年報も平成16年度広報事業の一環として、当支所の試験研究の概要、主要な研究成果、およびその他業務全般に関してとりまとめたものです。これらの資料が皆様の業務にいささかでもお役に立ちますことを願うとともに、支所の試験研究業務全般にわたって忌憚のないご意見、ご批判等をお聞かせいただけましたら幸甚に思います。
森林総合研究所関西支所長河室公康
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