森林総合研究所関西支所年報第47号
平成17年度

外観

展示の様子
平成17年11月11日に開館した「標本展示・学習館」(写真)
まえがき
森林総合研究所は独立行政法人となって、平成17年度でついに5ヵ年を経過してしまいました。独立行政法人は、5年間の中期計画期間に達成すべき目標を設定し、それに到達するため中期計画を立てて業務を遂行し、その達成度合いから独立行政法人評価を行う林野分科会から評価を受けることになっています。また、業務を効率的に進めて間違いなく中期目標を達成するため、年度毎に計画を立案し、点検・評価を受けながら業務遂行を行ってきています。そのため、第1期中期目標期間の最終年度である平成17年度には、年度計画に対する評価と第1期の全計画期間の業務内容に対する評価と、二重の評価を受けました。
幸い、両者とも大項目と総合評価で「中期計画に対して概ね順調に推移している」としてA評価を頂くことができました。ただ、平成17年度の業務実績に関しては、「研究成果が森林経営などの現場に応用されることを十分認識すること」と「個々の研究成果を結びつけて的確に広報、普及する仕組みを構築するなどの取り組むこと」が総括的意見として出されています。また、中期目標期間における業務実績に関しては、「過去と現在の研究との関係から将来の発展の方向性について計画化し、その成果の実用化を意識しつつ、積極的に研究に取り組むべき」との総括意見がありました。
関西支所としても中期目標に向けて研究や業務運営に取り組み、都市近郊・里山林における機能解明と評価を行い、プレスリリースや「研究最前線」などで、得られた研究成果の広報・普及を図って参りました。今後とも、その実用化を見据えた将来展開を図って研究に取り組む必要がありますし、より一層の研究成果の公表と普及に努める考えです。
本年報は、当支所の平成17年度における試験研究の概要、主要な研究成果、およびその他の業務関連資料を取り纏めたものです。これらの資料を皆さまの業務に些かでもお役立て頂ければ幸甚です。また、皆さまからは忌憚のないご意見をお聞かせいただければ有り難いと思います。
平成18年10月
森林総合研究所関西支所長北原英治
目次
- 森林総合研究所全研究課題
- 森林総合研究所関西支所関係抜粋
- 主要樹木集団の遺伝的多様性評価手法の開発および繁殖動態の解析
- 森林施業が森林植物の多様性と動態に及ぼす影響の解明
- 森林施業が鳥・小動物・昆虫の多様性に与える影響の解明
- 大台ヶ原森林生態系修復のための生物間相互作用モデルの高度化
- 西南諸島における森林生物群集の実態と脆弱性要因の解明
- 希少雑種の遺伝的多様性と繁殖実態の解明
- 水流出のモニタリングと全国森林流域の類型化
- 積雪地域の森林流域における環境保全機能の評価手法の開発
- 湿雪なだれの危険評価手法の開発
- 被害拡大危惧病虫害の実態解明と被害対策技術の開発
- 集団的萎凋病の対策技術の開発
- ナラ類集団枯死被害防止技術と評価法の開発
- マツノマダラカミキリ生存率制御技術の開発
- マツ抵抗性強化技術の開発
- スギ・ヒノキ等病害の病原体と被害発生機構の解明
- サル・クマ等の行動・生態と被害実態の解明
- ツキノワグマの出没メカニズム解明
- 森林火災の発生機構と防火帯機能の解明
- 持続的な森林管理にむけた森林情報解析技術の開発
- 社会的背景にもとづく公益的機能及び意思決定支援手法の開発
- 高度に人工林された河川源流域における地域森林資源の実体解明
- 国際的基準に基づいた生物多様性及び森林の健全性評価手法の開発
- CDM植林が生物多様性に与える影響評価と予測技術の開発
- 酸性雨等の森林生態系への影響解析
- 森林流域の水質モニタリング
- 多様な森林構造におけるCO2固定量の定量化
- 環境変動と森林施行に伴う針葉樹人工林のCO2吸収量の変動評価に関する研究
- 環境変動が海洋性気候下の寒温帯植生に与える影響の評価
- 林業・生産システムの類型化と多面的評価手法の開発
- 都市近郊・里山林の生物多様性評価のための生物インベントリーの作成
- 人と環境の相互作用としてとらえた里山ランドスケープ形成システムの解明
- 都市近郊・里山林における環境特性の解明
- 都市近郊・里山林の管理・利用実態の解明
- スギ花粉暴露回避に関する研究
- 保健休養機能の高度発揮のための森林景観計画指針の策定
- 地域伝統文化の構造解明
- 主要国の森林資源・林産物市場の動向分析及び予測手法の開発
- 持続的な森林管理・経営の担い手育成及び施業集約・集団化条件の解明
- 中山間地域の活性化条件及び適切な森林管理のための公的関与方策の解明
- ホオノキの近交弱勢に及ぼす近親交配の影響
- 落葉樹2次林における地上部呼吸量の季節変動特性および変動要因について
- 高野山スギ収穫試験地の林分構造と成長
- 高野山ヒノキ収穫試験地の林分構造と成長
- 今里山で起こっていること-ナラが枯れていく-
- ナラはどのように枯れていくのか
- 被害を広げるカシノナガキクイムシ
- 人が決める里山の行方
- 平成17年度試験研究発表題名一覧
- 沿革
- 土地及び施設
- 組織
- 人の動き
- 会議等の開催
- 依頼出張
- 職員研修
- 受託研究員受入
- 海外派遣・出張
- 業務に必要な免許の取得・技能講習等の受講
- 見学者
- 試験地一覧表
- 気象年報
- 標本展示・学習館
一括版のpdfファイルはこちらです。年報第47号(平成17年度)(PDF:407KB)