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更新日:2025年10月17日

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第3回成果発表シンポジウム「炭素貯留能力に優れたヒノキ・カラマツ・コウヨウザンの育種に向けて ーゲノム基盤の整備と育種技術の高度化ー」の開催について

農林水産技術会議委託プロジェクト研究革新的環境研究「炭素貯留能力に優れた造林樹種の効率的育種プロジェクト」(2021〜2025年度)の第3回成果発表シンポジウムを開催します。

これまでの林木育種事業において、森林の炭素固定能力の向上を図るため、炭素貯留能力に優れた品種として第1世代精英樹※1から「幹重量(二酸化炭素吸収・固定能力)の大きい品種」が開発されています。カーボンニュートラルの達成に向けては、成長性がより優れたエリートツリー※2や特定母樹※3から炭素貯留能力に優れた系統を早期に開発し、森林整備に活かしていくことが求められています。こうした取り組みは、スギに加えてヒノキやカラマツにおいても同様に進められており、さらに早生樹※4のコウヨウザンについても、木材としての性能や成長性から炭素貯留に資する樹種としての活用が期待されています。

本プロジェクトでは、主要な林業用樹種であるスギに加え、ヒノキ、カラマツ、早生樹として注目されるコウヨウザンを対象に、炭素貯留能力に優れた系統を早期に選抜可能とする育種技術の開発を進めてきました。これらの樹種についても、スギと同様に成長形質や材質といった炭素貯留能力に関連する特性の評価を行うとともに、プロジェクト内で収集・構築してきたゲノム基盤を活用して育種集団の遺伝的特徴を明らかにし、さらに炭素貯留能力に関連するDNAマーカーの開発や形質を予測するためのゲノミック予測モデルの構築を進めてきました。本シンポジウムでは、これまでに得られた研究成果と開発した技術のうち、ヒノキ・カラマツ・コウヨウザンの育種の高度化に貢献する成果を紹介します。

 

※1:第1世代精英樹

 用材生産を目的として成長の早いこと、幹がまっすぐであること、病気や虫の害がないこと等を基準とし、全国の国有林や民有林から選抜された成長・形質の優れた個体。

 

※2:エリートツリー

第2世代以降の精英樹の総称。全国各地の国有林や⺠有林で選抜された第1世代精英樹の中でも、特性の優れた系統等を交配して作出した実⽣後代の中から選ばれた、第2世代以降の精英樹。成⻑性、材質や通直性が遺伝的に優れていることが期待される。

さらに詳しく:エリートツリーの開発(森林総合研究所林木育種センターHP(https://www.ffpri.go.jp/ftbc/business/sinhijnnsyu/seicyou.html))

 

※3:特定⺟樹

「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法(間伐等特措法)」に基づき、成⻑に優れたものとして農林⽔産⼤⾂が指定した系統。在来の系統と⽐較して1.5倍以上の材積を⽰すため、特定母樹由来の苗木(特定苗⽊)を活⽤することで森林の二酸化炭素吸収能⼒を⾼めることが期待される。また、スギ・ヒノキに関しては、花粉量が⼀般的なスギ・ヒノキのおおむね半分以下であることが指定基準となっているため、特定⺟樹は「花粉の少ない品種」としての定義もあわせ持つ。

さらに詳しく:特定母樹(林野庁HP(https://www.rinya.maff.go.jp/j/kanbatu/kanbatu/boju.html(外部サイトへリンク)))

 

4:早生樹

一般的な林業用樹種に比べて成長が早く、伐期(利用可能となるまでの期間)が短い樹種の総称。二酸化炭素の吸収・固定を短期間で実現できることから、カーボンニュートラルの観点で注目されている。コウヨウザンはその代表的な樹種の一つ。

 

 

開催日時

2025年11月27日(木曜日)13時00分〜16時45分(開場12時30分)

 

開催方法

オンライン形式(Microsoft Teams)

 

主催・代表機関

国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林木育種センター

 

内容
【はじめに】
  • 「趣旨説明」 高橋誠(プロジェクト統括:森林総合研究所林木育種センター東北育種場長)
【成果発表】
  • 「ヒノキ・カラマツ・コウヨウザンのゲノム基盤の構築」 白澤健太(かずさDNA研究所植物ゲノム生物学研究室、室長)
  • 「ヒノキ・カラマツ・コウヨウザンのゲノムDBの構築」 平川英樹(九州大学大学院 農学研究院、教授)
  • 「カラマツにおけるゲノム情報を活用した育種技術の開発」 三嶋賢太郎(森林総合研究所林木育種センター九州育種場、主任研究員)
  • 「ヒノキにおけるゲノム情報を活用した育種技術の開発」 坪村美代子(森林総合研究所林木育種センター、育種研究室長)、高橋優介(森林総合研究所林木育種センター、研究員)
  • 「コウヨウザンにおけるゲノム情報を活用した育種技術の開発」 平尾知士(森林総合研究所林木育種センター、基盤技術研究室長)
【講評】

コメンテーター:プロジェクト外部専門家

高田克彦氏(秋田県立大学木材高度加工研究所、所長・教授)

丸山温氏(元日本大学生物資源科学部、教授)

 

費用

参加は無料ですが、事前申込みが必要です。

 

申込方法

下記申込フォームよりご登録ください。

URL:https://forms.office.com/r/XzzBgmDuX4(microsoft formsで参加登録)
QRコード

QRコード

 

事前登録制:250名(先着順、参加希望者は参加申込先までE-mailでご所属と氏名をお知らせください。後日、参加者には参加用のURLをご案内いたします。)

申込期限:2025年11月20日(木曜日)

 

お問い合わせ

国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター

育種企画課  TEL:0294-39-7002 E-mail: ikusyu@ffpri.go.jp

 

技プロ第3回成果発表シンポジウム

(PDF:747KB)

 

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お問い合わせ

所属課室:森林総合研究所林木育種センター育種企画課 

〒319-1301 茨城県日立市十王町伊師3809-1

電話番号:0294-39-7002

FAX番号:0294-39-7306

Email:ikusyu@ffpri.go.jp