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更新日:2016年1月29日

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産総研平成22年度第2回DSO懇話会

テーマ:「研究組織における効果的なメンター制度」

 日時  2010年8月30日(月曜日)15時00分-17時00 分
 場所  産総研つくば中央第2つくば本部情報技術研究棟1階交流会議室第1
 主催  ダイバーシティ・サポート・オフィス( DSO )事務局
参加者 太田 祐子

 

  参加報告

メンター制度導入済みの4機関による情報提供
(メンター制度:直接の上司ではなく、比較的近い組織、あるいは近い分野にいる先輩が様々な相談に乗る制度。)


1.富山大学(2008年女性研究者支援事業採択)メンター制度導入3年目
制度の特徴 【一言で言うと、「Web上井戸端会議型」 by太田】
メンター、メンティーを固定しない。相互にメンター、メンティー、ロールモデルとなる。

  • 富山大学内SNS(Social networking service)を利用し出会いと情報交換の「場」を提供*、さらにWeb上に得られた情報を蓄積する(=Webメンター制度)。学内喫茶室で月1回開催される「集い」で直接に深い関係を築く。
    (産総研でも「掲示板(子育て広場、介護広場)」で同様の取り組みを行い非常に役に立っている)
  • 教育研究職が主に利用。
    利用例:妊娠した任期付講師が講義をどうしたらいいかという問いに対して、別の学部から「出産前に集中講義を行うことができる」との情報提供があった。

2.神戸大学(2007年女性研究者支援事業採択、2010年女性研究者システム改革加速事業採択) メンター制度導入3年目
制度の特徴 【一言で言うと、「大先生メンターからご意見拝聴型」 by太田】

  • 学内外のメンターをあらかじめ登録し公開。(メンターには謝金を支払う)
  • メンティーによるメンター指名制。1対1の関係。
  • 学生、PD、女性教員等が利用。
  • 「集い」形式も併用

3.農研機構 (2009年度女性研究者支援事業採択) 今年度は制度試行。
制度の特徴 【一言で言うと、「ノーマル型」by太田 組織のフラット化の弊害解消 】


  • メンター:40歳以上の男女(希望者10名)、メンティー:40歳以下の女性(希望者5名)
  • カップリングは事務局が行う。1対1の関係。
  • 事務職でも導入検討中 (人事課主導で)

4.産総研 (2007年度女性研究者支援事業採択) 制度導入3年目
制度の特徴 【一言で言うと、研究職は「ノーマル型」事務職は「グループ型」 by太田】

  • 研究職、事務職が導入 事務職ではOJT(On-the-Job Training)とメンターリングの2本柱で新人育成を行っている。
  • メンターは、ユニット長が指名、メンティーは新規採用者(1年間限定)。
  • メンターは基本的にボランティアだが、短期評価制度の中で評価。
  • カップリングは事務局が行う。研究職は1対1。事務職はメンター2名、メンティー4-7名のグループ制
  • 事務職ではメンター制度が非常に有効に機能している。
  • 研究職では課題が多い。メンターを必要としていない人もいる(産総研PD後に採用された人など)
  • 事務局の負担は大きい。メンターの選任と、カップリングが難しいため
  • メンタリングの時期の再考が必要(新規採用時よりも任期付5年目のテニュア審査時期に必要かもしれない)。


感想
各組織に必要な形のメンター制度を工夫して導入している。森林総研にすぐに導入可能なものとしては、Web上の掲示板等での情報のやりとりがよい(富山大Webメンター、産総研のイントラネットの子育て介護広場的なものか)。今後本格的にメンター制度を導入を検討するとすれば、研究職についてはまずは任期付き職員のメンター(グループ制?1対1?)、事務系新規採用者のメンター(グループ制)がよいと感じた。メンターは推薦がのぞましい。カップリングは事務局が行うのが望ましい。メンターは負担が大きいので、組織のバックアップ、メンターをしたことに対してきちんとした評価が必要と思われる。
研究職には、メンターよりもキャリアカウンセリング・キャリアアドバイザーが必要かもしれない。


男女共同参画室 太田 祐子 : 記

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