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更新日:2016年1月29日
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テーマ:女子学生キャリアアップ支援コロキウムSpecial「宇宙への道」山崎直子氏講演
日時 | 2011年5月19日(木曜日)11時00分-12時30 分 |
場所 | 上智大学中央図書館9階L-921会議室 |
主催 | 上智大学 |
参加者 | 川元 スミレ |
女子学生キャリアアップ支援第八回コロキウムspecial 「宇宙への道」山崎直子氏講演
上智大学「グローバル社会に対応する女性研究者支援」プロジェクト女子学生キャリアアップ支援コロキウムSpecial「宇宙への道(山崎直子氏)」に、外部参加者として参加をさせていただいた。ご講演をお聞きする機会を与えてくださった関係者の皆様に感謝申し上げる。http://www.erp.sophia.ac.jp/Projects/wrsupport/enlightenment/colloquium.html(外部サイトへリンク)
講義の前半は山崎氏のミッションを一部紹介、後半は学生のためのキャリア支援であった。
山崎氏は、中学生の時に中華料理店で初めて外国人(インド人女性)に会われ、じっと見ていると、その女性に、「あなたは世界にむかって仕事するようにがんばってくださいね」と語りかけられたそうである。数回にわたって、「女の人はいろいろ考えることがある、結婚 子、介護、自分や夫の転勤、家庭と仕事との両立のために、ほんとうにどうしよう,と考えることたくさんある・・」と言われたことが感慨深い。日本で山崎氏と同じ偉業を専業主婦に支えられる男性がなしとげたとして、その男性は同じことを考えただろうか?たとえ同様のことを発言されたとしても、山崎氏と同じだけの重みがあるだろうか?
アメリカの宇宙飛行士の訓練は国家プロジェクトなので、10年かかることもあり、不確定要素が多い、何年で帰国できるかわからない、今は助けてもらうばかりでも、いつかはかえせると信じ、とりあえず迷っていても歩んでいく、そして適宜軌道修正すると、どこかで道がつながってくるかもしれない、宇宙に行くのに11年かかった、あっという間だったとのことである。「人生長いので長い目で見て大きな夢も忘れないで」、と、その場の上智大学学生達に、夢と希望を投げかけられた。
質疑応答は、大きな講義室であったが、質問者の近くまで歩いて来られ、できるだけ近くから回答してくださった。写真よりもずっとお綺麗な方であった。以下、長めに設定されていた貴重な質疑応答の一部をご紹介させていただく。
Q1: 訓練用のプールと宇宙はどこがちがうのですか?今日どうしても参加できなかった友人のために何か句を詠んでください。
A1: 無重力の感覚からは近く、頭に血が上らないのは同じ、第2番目の回答は難しい、宇宙では「瑠璃色の地球も花も宇宙の子 」と読んだ、ここでは「これからの世界に向かって羽ばたけ上智の子」でしょうか。
Q2: 人間とロボットが関わることにどう思われますか?
A2: ロボットはロボット、人間ではない、命はない。補助機械はどんどんふえていっている。システムが大きくなればなるほど人間の力でコントロールできなくなる。ますます使う人間の側にかかっている。
山崎氏質問:共存していくと、逆にどういうところに違和感を感じますか? − 子が介護しなくなるとか、 ペット型ロボットに感情移入するとか・・
Q3: 昨今の予算カットをどう思われますか?国境をこえてみんなでしていることなのに。日本人として何を思われますか?
A3: ロシア崩壊後の宇宙開発事業において、アメリカ・ロシア共存の経緯を語られた。 日本は何か一つ貢献してこそアドバンテージがある(昔のように追いつけ追い越せと言う時代ではない)。科学探査で小学生関わったのは日本が初めて・・
Q4:私は中学でボランティアをしているが自己肯定感が少ない子多い、その中で自己肯定感を与えていくのは大変な作業です・・山崎さんがくじけそうになったときは、譲れない信念はなんだったでしょうか?
A4: コロンビア事故、主人が仕事辞めないと行けないとき、は大変だった。どうしようもならないこと、ふりまわされていくこと多い。その中でも、一歩ずつ歩んでいく、信じるしかない、やりつづけるより方向転換の方が難しいことがある、走りつづけているほうが楽なこともある、やれるところまではやって、毎日できることをやる、少しでもやっていて楽しいことをみつけるといいのでしょうか。
Q5:ロボットがなんでもできるようになってきて、人間が宇宙に行くにはリスクを伴う、ロボットがすべて代替わりできる時期が来るとして、人間ができることは何ですか? 文系の学生でも関わっていけますか?
A5:有人か無人かという問題に関わるが、ロボットは人間の文化を作ることはできない、人の生命が宇宙に広がっていく、ことでしょうか。 NASA でも日本でも宇宙飛行士に応募できるのは理系と決められているが、表現力のある文系、芸術家の方々も宇宙に行っていただきたい。 例えば、TBS 秋山さんは文系ですが、宇宙に行かれた、宇宙に行く手段としては宇宙飛行士だけでない、プロジェクトに参加すれば行ける。だんだん普通に宇宙に行けるようになる。
Q6: 女性として大変だったことは?
A6:
Q7: 結婚、出産プランはどの程度もっていらっしゃったんですか?
A7: 博士コースは断念、結婚等思い描いていたプランと全然違った。誰も教えてくれない。最後は自分で考えるしかない。いろんなひとと相談するけど最後は自分の感で決めるしかない。いろんな人に頭をさげる。ごめんなさいを何万回も。全部自分の責任でやらないといけない。あなたが決めたことでしょっていわれるとかえす言葉がない。他の人に迷惑かけたらひたすらあやまらないといけない。コミュニュケーションにエネルギーが必要。 私だけでない、同僚アメリカ人男性もそうだった。 彼も、「雨がふっても犬がほえても「ぼくがわるかったです」と言っている。 自然にやっていくうちに、何となく道が見えるのでは?
Q8:一番感動した風景は何ですか?
A8:
司会者:学生にとっては今日の山崎先生が最初にあった山崎さんがインド人になるでしょう。
個人的感想を述べさせていただく。ご講演を聞かせていただき、アメリカで生活し、アメリカの文化を経験した私は、アメリカの光景をなつかしく思い出した。山崎氏の前半の講義で印象深かったのは、普段のお仕事は、非常事態(何かが壊れたでも操作できるように)の訓練がほとんどで、「感覚をつかむ」ことがとても重要だとのことであった。人生は、危機管理の連続であるように感じる。その一回が起こるとどうしようもできないことが、たまに発生することがある。人はその一回が起こらないように、また起こっても対処できるように、「感覚をつかむ」ことができるよう、一生努力するのではないだろうか。私達が次世代にできることは、あれもできない、これも危険、あなたには無理、と絶望やあきらめを与えることではなく、どんなに困難な環境にあっても、「できるかもしれない」、と、夢や希望を提供し続けることではないだろうか。
機能化研究室 川元 スミレ : 記
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