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更新日:2017年4月13日
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テーマ : 「中間管理職から見たはやぶさのリーダーシップ」
日時 | 2012年06月20日(火曜日)14時45分-16時15分 |
場所 | つくば農林ホール(本館2階) |
主催 | 農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所 |
参加者 | 古澤仁美 |
独立行政法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所教授 國中均氏が講演をされました。
講師の國中氏は、小惑星探査機「はやぶさ」の推力を生むマイクロ波放電式イオンエンジンの開発者であり運用者です。10年以上におよぶ地道な努力の結果、イオンエンジンの実用化に成功し、「はやぶさ」はそのエンジンを搭載して2003年に宇宙に飛び出しました。「はやぶさ」が小惑星「いとかわ」に到達し、また地球に戻ってくるまで7年の航行期間中、ずっとイオンエンジンを地球から制御されました。ふりかかる困難を創意と工夫、努力と根性で乗り越えてこられたことがお話からよく伝わってきました。「はやぶさ」からみた「いとかわ」の写真、ついに地球へ帰ってきて「はやぶさ」が大気圏で燃え尽きる動画、地球上に到着した「いとかわ」の粒子が入ったカプセルの写真などを拝見して、私も感動しました。
「はやぶさプロジェクト」はいくつもの専門部門から研究者を集めて構成されており、國中氏にはイオンエンジン部門のリーダーと、「はやぶさプロジェクト」リーダーという複数の上司がいることになります。一方、國中氏の下には実働部隊の学生やPD等がいるということで、國中氏は中間管理職の立場です。イオンエンジン部門のリーダーはスペシャリストたれと言って國中氏を指導したとのこと、一方「はやぶさプロジェクト」のリーダーは、明確なビジョンを示すことでプロジェクトを成功に導いたとのことでした。現在、國中氏は学生に対して、これから20年、30年の日本の宇宙計画を示して、未来は本当にこうなるか分からないけれど、このような未来予想図に貢献してみないか、技術開発の努力によって未来は変えられるのだよ、といつも言っているとのことでした。また、JAXAはPMBOKというプロジェクトマネジメントの手法をとりいれており、「はやぶさプロジェクト」の実行中、このマネジメントの知識が役に立ったと述べていました。
男女共同参画室 古澤仁美 : 記
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