ダイバーシティ推進室 > シンポジウム・セミナー参加報告 > 2016年度シンポジウム・セミナー参加報告 > 「農業における女性・若者の活躍推進に向けたG7フォーラム」(第一部)参加報告
更新日:2021年3月10日
ここから本文です。
日時 |
2016年12月12日(月曜日) |
場所 | 三田共用会議所(東京都港区三田2-1-8) |
主催 | 農林水産省 |
参加者 | ダイバーシティ推進室長 安部 久 |
「G7新潟農業大臣会合」で採択された、世界の食料安全保障の強化に向けた具体的な取組の一つとして各国の情報共有がある。その場として、「農業における女性・若者の活躍推進に向けたG7国際フォーラム」が12月12日に三田共用会議所で第一部と第二部に分けて開催されました。
第一部は、G7各国の農業関係の女性・若者の活躍推進に向けた施策や制度に関る報告会でした。農林水産省の大澤誠経営局長による趣旨説明の後、経済開発協力機構(OECD)経済局シニアエコノミストのランダル・ジョーンズ氏が、停滞する世界経済に男女共同参画の取組は様々な良い影響を与え、それによって世界経済が活性化すると言うことなどの話がありました。見せられるスライドの数々の男女共同参画の指標の数値で、日本の低さが感じられました。次に、国際連合食糧農業機関(FAO)のアジア・太平洋地域事務所地域ジェンダー担当官のクララ・パーク氏が、FAOの最重要課題の1つが発展途上国の貧困・飢餓対策であり、それら地域の農業には女性が貢献しているため、女性と若者の影響力を高めることで地域農業の生産性を高め、貧困や飢餓の撲滅に向かわせることであること、またそのための取組について紹介、最後に発展途上国の女性と若者の地位向上には、我々一人一人がしなければならないことがあるいう話で締めくくられました。
その後、G7メンバー各国とEUの女性・若者政策担当者による現状と取組についての説明がありました。各国の状況は、若干違う部分もありましたが、共通の大きな課題として、「高齢化」「労働人口の不足」「若者の失業と雇用のミスマッチと就農」であり、特に農業分野の労働者に占める女性割合については、実際の農業経営の意思決定に関与している女性はあまりいない、しかし、各地の農業において女性がいなくなると立ちいかなくなるという現状認識がされました。農林水産省の佐藤一絵就農・女性課長から、日本における補助金を伴わない「農業女子プロジェクト」についての説明があり、農業のイメージアップと見える化は重要で、見えていなかった課題を農業関係者だけでなく国民にも伝えることができる、また、企業とのコラボレーションによる新商品の開発等の効果が現れている、という話がありました。イメージアップと見える化については、G7各国も賛同していました。また、アグロツーリズムの導入による農業の高次元化は女性の参画を促すが、そのためのインフラ整備によってさらに女性も就農しやすくなるという結論になりました。
第一部と第二部の間には、農業女子プロジェクトで開発された農業機器や下着、新規の若手就農者の取組とネットワークの紹介の展示による説明がありました。こういった取組は日本特有の創造力と気遣い精神によるものでしょう。
ダイバーシティ推進室長:安部 久 記
お問い合わせ
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.