ダイバーシティ推進室 > シンポジウム・セミナー参加報告 > 平成30年度第2回DSO(ダイバーシティ・サポート・オフィス)懇話会参加報告
更新日:2024年2月22日
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DSO(ダイバーシティ・サポート・オフィス)は「つくば」にある森林機構、農研機構、産総研、物材研の4機関が幹事機関となって、全国の大学や国研などの研究機関で組織するダイバーシティ推進のためのコンソーシアムです。現在、理化学研究所、千葉大学、筑波大学などの20機関が加入しており、年1回の総会と年2回の懇話会(連絡会議)が行われます。
今回は、1月15日に開催された平成30年度第2回目の懇話会の報告をさせていただきます。
懇話会では、(1)特徴的な休暇・休業制度、および(2)次世代育成支援に関する取り組みについて、それぞれの機関の取り組みが紹介されました。どの機関も国の制度ができてから、それに追随する形で各機関に当該制度を取り入れるという基本的な図式は同じようでしたが、何をどのタイミングで取り入れるのかについては、それぞれ機関毎に個性があり、その違いが大変興味深いものでした。
たとえば、休暇・休業制度では、機関によっては「孫休暇」や「永年勤続休暇」といった独自の制度を設けた所もあり、次世代育成支援制度にでは、各機関とも「くるみん」マークの更新、または新規取得に向け、それを必要とする理由や現行のプロセスを共有することで、DSOに参加する参加機関による情報の共有および気づきの場になりました。
まず、特徴的な休暇・休職制度について紹介すると、森林総研でも「ボランティア休暇」、「自己啓発休業」・「配偶者同行休業」などのちょっと変わった休業制度が存在します。実は国に準拠した制度なのですが、DSO参加機関の中でも制度として担保されていない所も多く、今後導入したいという機関も多くありました。ただ、森林総研内でもあまり使用されていない制度のようですので、ここで周知させていただきます。
他の研究機関について紹介すると、量研機構や千葉大学では、職員が不妊治療を行うために「不妊治療休暇制度」が整備されており、対象者は10日/年の範囲内で休暇が取得できるそうです(取得時は病休扱い)。また農研機構では、20年または30年永年勤続表彰の副賞として「リフレッシュ休暇制度」が選択可能になったそうです。これは、勤続年数に応じて、5日(20年)または10日(30年)の休暇が有給で取得できる制度です。一方、理化学研究所では、「子以外の家族のための休暇(いわゆる“孫休暇”)」を制度として運用しており、お孫さんを持つ職員に働きやすくなったと大変好評であることなどが報告されました。
次世代育成支援に関する取り組みとしては、森林総研も「くるみんマーク」を更新すべく、次世代育成に関する取り組みを進めています。特に男性の育休取得率については、本年度から行っている「育休男子プロジェクト」の成果もあり、年間目標値の10%を大きく超えることになりそうですが、「くるみん」の更新条件を整えるにはまだまだ柔軟な取り組みが必要です。今回、他機関の先進的な取り組みを参考にし、さらに次世代育成に配慮した職場環境づくりに向けて行動および啓発を実施していきたいと思います。
他の機関では、学長裁量経費でポストがなくても昇任できる「女性教員昇任システム」の導入があるそうです(10年間の保証。期間内に通常ポストに転換してもらう)。また、理化学研究所では、「育児及び介護中の職員の代替要員の確保」として、120万円/人の費用の助成(総計で、3800万円)をおこなっているとのことでした。その他にも機関毎に様々な取組が行われていますが、ここにきて動きが明確になってきたのが、在宅勤務制度です。これまでつくばでは産総研、物材機構など一部の機関しか取り入れていなかったのですが、ここに来て多くの機関が本年度に導入または来年度に導入できるよう、機関内部で本格的な検討を行っていることが分かりました。
このように様々な機関がそこで働く職員のために休暇・休業制度や育児支援制度などの各種制度を整えようとしています。現行の整備状況は機関の成り立ちや担当部署の規模によってそれぞれですが、「つくば」を中心として、ダイバーシティの波動が確実に拡がっていることは間違いありません。
森林機構で働くみなさんも、この機会にぜひ自分たちの使える休暇・休業制度について見直してみませんか。意外と職員のみなさんの希望に応える制度があったりするかも知れません(ちなみに、私は今回の作業をするにあたって、ボランティア休暇と子の看護休暇の存在に気が付きました。今後、ぜひ両方とも利用したいと思います!)。
ダイバーシティ推進室では、他の機関とも連携して、職員の皆さまがより働きやすい職場になるよう、様々な取り組みを推進して参りたいと思います。職員の皆さまには、今後ともぜひダイバーシティ推進活動を応援よろしくお願いいたします。
企画部研究企画科 ダイバーシティ推進室室長 高山範理:記
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写真.今回は産総研(つくば)にて、介護セミナーの後に |
図.当日会場のイメージ。森林機構は幹事機関としてDSOの 運営の一翼を担っています(産総研作成の図に加筆) |
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