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更新日:2020年1月20日

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物質・材料研究機構(NIMS)男女共同参画セミナー参加報告

リーダーのための「アンコンシャスバイアス」セミナー
~ひとりひとりがイキイキと活躍するために必要なこと~

  • 日時:2020年1月7日(火曜日)15時30~17時
  • 場所: 物質・材料研究機構 千現地区研究本館 第1会議室
  • 主催 : 物質・材料研究機構 講師 守屋 智敬 氏
  • 参加者 :森林植生研究領域(ダイバーシティ推進室併任) 星野 大介 

「アンコンシャスバイアス」とは

「アンコンシャスバイアス」とは「無意識の偏ったモノの見方」のことです。チームメンバーの誰もがイキイキと活躍できるようにするために、リーダーは自分の中にあるアンコンシャスバイアスを認識し、それをどう対処してゆくのか知る必要があります。そのことを守屋智敬さんから90分のセミナーでご紹介いただきました。本セミナーは物質・材料研究機構人材部門人材開発・大学院室が主催し、同機構の職員のみならず、ダイバーシティサポートオフィス参加機関にも、広く参加の門戸を開いていただきました。そこでこの項では参加した筆者から、内容の一端と感想をご紹介させていただきます。

目の前にいる人が必ずしもそうであるとは限らない

目の前にいる人が必ずしもそうであるとは限らないのに、私たちは出身地や血液型などで相手を決めつけることはないでしょうか。そうして自分から相手に「変わった人ですね」言ったとき、相手はどう思うでしょうか。自分の「決めつけ」や「押しつけ」の言葉や態度が、相手を圧迫することはないでしょうか。こうしたリーダーの言動や態度は、チームのメンバーに悪影響を及ぼします、たとえば相手はリーダーであるあなたに対して、アイディアを口に出来なくなってしまうかもしれません。守屋さんはこうした言動が、余裕がないときや目下の相手、半径1~2 mの相手に出やすいと指摘されました。

アンコンシャスバイアスの様々なタイプ

アンコンシャスバイアスには様々なタイプがあって、人や組織に影響します。上記のように属性や特性をもとに先入観や固定観念で相手を決めつけてしまったり、問題が起きても「私は大丈夫」「私は悪くない」と自分の都合のいいように思いこんだり、専門家や立場が上の人、経験豊富な人の言うことは間違いないと思い込んだり、周りの人間の言動や行動に追従したり。リーダーのこうした言動や態度は、組織の中の人間関係の悪化やイノベーションの低下、ハラスメント発生の原因になります。また個人的にも、相手のやる気を削いだり、自分自身を過大評価/過小評価させたりする原因となります。こうしたアンコンシャスバイアスが生じてしまう原因は、誰もが持つ「自己防衛心」にあると守屋さんは指摘されました。生理的には、脳がストレスを回避しようとすることから生まれるそうです。

非言語メッセージを習慣的に気づく

自分が相手にアンコンシャスバイアスしていても気が付かないとき、どうしたらよいでしょう。相手から「○○さん、いまの、アンコンシャスバイアスですよ!」と告げてもらえるでしょうか。しかし実際それは相手にとって、とても難しいことです。守屋さんは相手の非言語メッセージである表情、態度から、自分がアンコンシャスバイアスしたことを気付くことがある、と教えてくれました。うつむく、口数が少なくなる、少し強めにドアを閉めるなど。こうした非言語メッセージを習慣的に気づくことが、その後のフォローや自己改革をスタートさせるために重要です。

誰もが持っているもの

アンコンシャスバイアスは無意識に生じており、誰もが持っているものなので、自身がそのような見方をとってしまうことは仕方ありません。しかし、それを相手に実行に移してしまうと問題が生じます。「私は大丈夫」「私は問題ない」と思い込まないことです。対策として、自分が相手にやってしまったと気づいたとき、「これって、わたしのアンコンシャスバイアスだった?」と相手に聞いてみるのもよいでしょう。また、自分がやった瞬間に気づいたことや、感じた違和感を、2週間メモしてみるのもよいでしょう。そうして自身の傾向を知ったうえで、自分が変わったように見せるように努力してみたら、メンバーの見る目が変わったと、守屋さんは実体験から紹介されました。

まとめ

内容は以上となります。セミナーは、隣の参加者とグループディスカッションしたり、講師と挙手でコミュニケーションしたりしながら、楽しく進められました。筆者はアンコンシャスバイアスという言葉は知りませんでしたが、もちろん実体験で思い当たることはいくつもありましたので、たいへん合点がいきました。リーダーは決めつけない、押し付けないで、謙虚に相手に対することが必要と思いました。しかし一方で、事実を確認したうえで、リーダーはときに相手を叱責することも必要です。そうしたとき、相手に丁寧に理由を説明すると同時に、自分自身に対しても叱る根拠がアンコンシャスバイアスになっていないか、対話してゆく必要があると感じました。

200107物質・材料研究機構男女共同参画セミナー

 森林植生研究領域 (ダイバーシティ推進室併任)星野 大介:記

 

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