ダイバーシティ推進室 > シンポジウム・セミナー参加報告 > 大阪公立大学シンポジウム参加報告
更新日:2023年3月13日
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大阪公立大学を代表機関とし、大阪教育大学、和歌山大学および積水ハウス株式会社を連携機関として、2017年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」に選定され、現在2022年度に最終年度である6年目を迎えた。ダイバーシティ研究環境整備、女性研究者の研究力向上・リーダー育成、上位職登用促進に向けて組織的に取り組み、2020年度には南近畿で女性が活躍できる共同ネットワーク・拠点づくりを目指して「南近畿女性研究者支援ネットワーク」が本格始動し、2021年度には大阪商工会議所が参画するなどネットワークが拡大した。その間に、大阪教育大学で女性学長誕生、大阪公立大学と和歌山大学で女性副学長誕生、積水ハウスで女性執行役員誕生などをはじめ女性の上位職登用が進んでいる。
大阪公立大学国際アドバイザーを務めているウィスコンシン大学マディソン校研究担当准副学長のエイミー・ウエント教授から「ウィスコンシン大学マディソン校における教員のダイバーシティとインクルージョン:WISELI の取組」について基調講演があった。University of Wisconsin-Madison Inclusion in Science & Engineering Leadership Institute(WISELI)は教員とリーダーシップの多様性、公平性、包括性を促進するための教員の採用や、アンコンシャス・バイアス*1払拭および組織環境改善のためのワークショップの開催を行っている。キャリア継続の障害として、本人の健康、親の健康、子供の健康、配偶者の健康などに関わる様々なライフイベントがある。それらを乗り越えるための助成プログラムを提供している。女性採用枠のようなクオータ制は法的に認められていない。
大阪公立大学でも管理職へのアンコンシャス・バイアス研修を実施し、それが一般職員対象に拡大された。大阪教育大学では2年前からダイバーシティ推進のシラバスが作成されている。和歌山大学ではSOGI*2研修に力を入れている。積水ハウスでは女性管理職候補の研修を実施している。地域内の異なる機関におけるダイバーシティ推進活動の連携推進は有効だった。
女性に働きやすい職場は皆が働きやすい職場である。まず女性の視点を組織運営に取り入れ、職場改革を行う。積水ハウスでは職員の幸福度を多面的に評価し、職域ごとに良好な側面、不良な側面を視覚化し、改善を検討する試みも行われている。
女性役員・管理職を増やしていくためにはロールモデルが重要である。実際に組織のリーダーに登用する。そしてできていることを見せる。そして後継者を育てる。そのためには先駆者からの適切なメンタリングも大切である。
各研究教育機関等の女性リーダーたちの講演と討論は、今まさに行われている実際の取り組みを通じて、ダイバーシティ推進の道筋を考える内容であった。私どものダイバーシティ推進室でも大いに参考にさせていただきたい。
*1 アンコンシャスバイアス:無意識の偏見や思い込みから、偏ったものの見方をしてしまうこと
*2 SOGI:恋愛や性的感情を抱く相手の性別への指向(性的志向 Sexual Orientation)と自らが自認している性(性自認Gender Identity)のそれぞれの頭文字を取ったのがSOGI(ソジ)
ダイバーシティ推進室(併任) 岡裕泰:記
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