ダイバーシティ推進室 > 知る > ダイバーシティ推進セミナー > 第21回エンカレッジ推進セミナー平成28年度労働衛生週間講演会
更新日:2017年8月3日
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≪ポスター(PDF:195KB)≫ |
講演の序盤で先生から発せられた質問は、「もし、死に方を選べるとしたら、どのような最期を迎えたいですか?」という、ちょっとドキッとするものでした。現在の日本人の死因の上位は、(1)悪性新生物(がん)、(2)心疾患、(3)肺炎、(4)脳血管疾患、です。(1)~(4)で亡くなる人が全体の3分の2を占めており、多くの人が希望する「老衰」による最期を迎えられるのは、100人のうち6~7人とのこと。たしかに、祖父母や知人のことを思い出してみても、いわゆる「PPK(ぴんぴん・ころり)」だった人は、少ないように思います。
「がん」、「免疫」、「動脈硬化」、「コレステロール」など、言葉は知っていても、その意味やメカニズムを正確に理解し、説明できる人は少ないのではないでしょうか。先生のお話はとてもわかりやすく、カラダのしくみの不思議さに感動すると同時に、生活習慣病の怖さをくっきりと認識できました。
今回、特に興味深かったのが、LDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールについてのお話です。コレステロール(脂)は細胞膜の材料となる重要なものですが、多すぎると血管にたまって血管内腔が狭くなり、動脈硬化につながります。LDL=体のあちこちでの新陳代謝に必要な脂を肝臓から血管という道路を通って運ぶトラック、HDL=血液中にこぼれてしまった脂を回収して肝臓に運ぶトラック、という例えはとてもイメージしやすく、よく理解できました。肝臓の脂が増えると、LDLを多く送り出してしまうため血液中にこぼれる脂の量も増えますが、HDLが多ければ回収できる量も多くなります。数値そのものよりもLDLとHDLの比が重要とのことだったので、講演後、すぐに今年の健康診断結果を確認してしまいました(いまのところ、なかなか良い数値でした)。
人間の体は60兆個もの細胞からできていて、毎日約6,000億個の細胞が生まれ変わっているそうです。食べたものがエネルギーとなり、新しい細胞を作る材料となって自分を形作っていくこと、そして過剰に取った分はどんどん蓄積されたり体中にまき散らされたりすることを想像してみると、自然と食事のバランスや量に気を遣えるようになるかもしれません。また、運動についても、体温が上がって免疫力がUPする、とか、交感神経の緊張が緩和されることによって血流が良くなる、とか、HDLコレステロール値の上昇に寄与するかも、など、具体的に意識して行うことで、より効果が得られるような気がします。
忙しくて無理せざるを得ないような時もありますし、ときには体に良くなさそうなものを食べたくなったり飲み過ぎてしまったりすることもありますが、自分のカラダの状態に気を配り、カラダの中で何が起こっているのかを意識しながら、取り返しのつかなくなる前に改善する努力をしようと思います。これまでに15億回近く休まず動いてくれている心臓に感謝しつつ、今後もできるだけ永く健康な自分のカラダと付き合っていきたいなと思いました。
木材加工・特性研究領域 木材機械加工研 松村 ゆかり:記
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