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更新日:2021年12月9日

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第36回ダイバーシティ推進セミナー開催報告

ビデオセミナー「選択的夫婦別姓制度について」

  • 期間:令和3年10月1日 金曜日 ~ 15日 金曜日
  • 方法:TV会議システム等の録画ファイル倉庫から視聴
  • 講演者:森林総合研究所フェロー 田中 浩 氏

参加報告

10月1日~15日に、「選択的夫婦別姓制度」に関するビデオセミナーが開催されたこれは、ダイバーシティサポートオフィス(DSO)懇話会(本年9月開催)において実施された森林総合研究所フェロー田中浩氏による同タイトルの講演を、ご本人とDSO幹事機関の承諾を得て録画・視聴したものであった。

田中さんご夫妻は市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」のメンバーとして茨城県内の市町村議会に働きかける活動をされているそうである。セミナーでは、事実婚を選択した経緯、家族が別の姓を持つことに対する息子さんやその友人の反応、事実婚であることによる苦労などの話があった。

田中さんご夫妻は共に自らの名前を変えたくないと考え、籍を入れず事実婚とすることを選択した。当時は選択的夫婦別姓制度がすぐに実施されると考えていたが、結局、今日まで法制化に至っておらず、30年近くを事実婚で過ごすこととなった。夫婦別姓に反対する側はその理由として「家族の一体感がなくなる」「子供がかわいそう」といったことを挙げている。しかし、田中さんのご家族は仲が良く、夫婦別姓の家族の中で育った田中氏の息子さんからは「特段、大変なことはなかった」といわれたという。また、息子さんの友人たちも父親と息子の苗字が違うことを気にすることはなかったという。このように問題を感じないことがあった一方で、相続や生命保険に関連して不利益を被る場合があるなど、法律婚でないがゆえの苦労があったそうである。

田中さんの講演は、アイデンティティを守るために、生まれ持った名前を維持することを必要とする人の想いと現状の制度下でそのような人たちが直面している困難を、リアリティを伴って知る機会となったと思う。多種多様な考え方や個性を受け止め活かす、ダイバーシティ&インクルージョン社会の実現に向け、この想いをどう受け止めるのか、聴講者がそれぞれ考える契機となったらと思う。

ちなみに筆者は、「○○夫妻」「○○夫婦」「○○家」など、普段あまり気にせず使っている呼び方について、これでいいのかな?と悩みながらこの文章を書きました。言葉の選択に個人の主義・主張が現れるものなんだな、と改めて感じ、その重要さを再認識したのでした。

林業経営・政策研究領域(ダイバーシティ推進室併任) 志賀薫: 記

ビデオセミナーの様子
ビデオセミナー概要
セミナーのヒトコマと資料の写真

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