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更新日:2024年5月9日

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第43回ダイバーシティ推進セミナー開催報告

無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)に気づこう~ジェンダー・セクシャリティを中心に~

 渡辺大輔先生
 

開催報告

第43回ダイバーシティ推進セミナーは、渡辺大輔博士(埼玉大学ダイバーシティ推進センター准教授)を講師として、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に対する意識を高めることを目的として開催されました。セミナーでは、ジェンダーやセクシュアリティに関するバイアスを中心に、さらに国籍や人種に関するバイアスに関してもご解説頂きました。

はじめに、渡辺先生からクイズがありました。

以下の文章の登場人物の関係を説明してください。

  • 路上で交通事故があり、タンクローリーがある男性とその息子を轢きました
  • 父は軽傷、息子は重症で入院しました
  • 重症の息子の身元を病院の外科医が確認しました
  • 外科医は「これは私の息子!」と驚いて叫びました

私は、あれ?この外科医って誰だろう?と混乱してしまいました。私自身偏見など持っているつもりはなかったものの、外科医が女性(母親)である可能性に思い当たらなかったとは!まさに自分も無意識の偏見を持っていたことに早々に気づかされました。

現代社会において

現代社会において、ジェンダーバイアス(性別に関する固定観念や偏見)、異性愛中心主義(同性愛でないこと)、シスジェンダー中心主義(生まれたときの性別のまま生きているトランスジェンダーではないこと)の中で、あらゆる場やシステム(個人、家庭、学校、職場、分化、社会)が作られてきました。先生は、今、思い込みや大多数の人にとって普通だと考えて作られてきたシステムを作り直す時期にきていると主張されていました。

しかし、私たちは生まれたときからジェンダーのシャワーを浴びて成長してきました。例えば、女の子の赤ちゃんはピンクの服を着せられ、与えられるおもちゃはお人形、一方で男の子の服は青、与えられるおもちゃはロボットやミニカー。このように私たちは生まれたときからジェンダーバイアスを受けており、性的少数者を不自然なものとして排除する土台になってしまっています。

また、こういったバイアスは性だけではなく、国籍や人種にも当てはまります。「○○人って○○だよね」というような発言は、決して悪意を持って言っている訳ではなくとも、偏見をあてはめられた側の人間にとっては傷つく場合があります。これは、マイクロアグレッション=小さな攻撃と呼ばれ、ヘイト行為に含まれます。国際化が進む当機構でも注意が必要な事項だと感じました。

アンコンシャスバイアスを避けるためには

先生は、アンコンシャスバイアスを避けるためには、「普通はね…」、「それが当たり前」という前に、それが誰にとっての「普通」、「当たり前」、なのかを考えること、いろいろな人に出会い、自分の過ちを認め学ぶことが重要であると強調されていました。

動画で子供たちは

セミナーの最後には、ランドセル選ぶ子供の動画が紹介されました。動画で子供たちは

(1)まず、保護者が選んでほしそうだと思うだろうランドセルを選んでください、次に(2)本当に自分が使いたいランドセルを選んでください、という指示を受けています。(1)では親の期待をしっかり理解し、親が喜ぶようにランドセルを選ぶ子供たち。(2)では(1)ではみられなかったようなキラキラした表情で(親の期待とは異なる)ランドセルを選ぶ姿が見られました。中にはピンクのランドセルを選ぶ男の子も。こんな小さな子供でも親の期待や好みを理解している健気さに、先生、役職員のみなさん…、多くの大人が、もう泣いちゃったよー、と話しておりました。資料にもQRコードがありますが、こちらにリンクを貼っておきますので是非ご覧ください。

私自身、1年後にラン活をひかえた4歳の息子が何度聞いてもピンクのランドセルが欲しいというので困惑しておりましたが、男の子がピンクのランドセルを選ぶことに躊躇いを感じること自体がジェンダーバイアスであることに気が付けた、本当にタイムリーで学びのあるセミナーとなりました。

樹木分子遺伝研究領域(ダイバーシティ推進室併任) 鈴木節子:記

当日の写真

星野室長_2 第43回セミナー会場の様子 宇野理事
星野室長司会進行 会場の様子 宇野理事開会挨拶
浅野理事長_2 懇話会43_3 懇話会_43
浅野理事長閉会挨拶 懇話会の様子_1 懇話会の様子_2

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