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更新日:2017年3月9日

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第6回エンカレッジ推進セミナー

「コミュニケーションにもスキルがある!- ストレスを与えない、もらわないために -」開催報告

  • 2010年8月3日(火曜日)15時00分~17時00分
  • 場所:森林総合研究所・本所2階大会議室 (支所等へTV会議中継)
  • 講師:渋谷武子氏(臨床心理士・シニア産業カウンセラー)
    コメンテーター:原ひろ子氏(お茶の水女子大学名誉教授・エンカレッジ推進本部アドバイザー)

ポスター(PDF:639KB)
講演資料 (所内情報)≫

臨床心理士・産業カウンセラーとして幅広くご活躍の渋谷武子先生に、事例を交えつつコミュニケーションのスキルについてご講演頂きました。また、昨年に引き続きエンカレッジ推進本部アドバイザーをお引き受けくださって原ひろ子先生にコメンテータとしてご参加頂きました。 

  • このセミナーはオープンセミナーとし、外部関係機関職員の参加もありました。 

 プログラム

  1. 鈴木和夫理事長開会挨拶、
  2. 原ひろ子氏挨拶
  3. 渋谷武子氏講演

渋谷武子氏講演

渋谷武子氏 「コミュニケーションにもスキルがある!~ストレスを与えない、もらわないために~」
コミュニケーションは、自分と他者の少なくとも2者間関係がなければなりたたないものであるが、今回の渋谷先生のご講演は、自分と相手の「関係」において「他人は変えられない」というスタンスにたつものである。そのうえでコミュニケーションに問題を感じるときに、「自分」がどのように対処したらよいのか、「自分の気持ちを大切にしながら相手も尊重する(アサーティブ, 文末参照)」になるためにはどうしたらいいのか。対処するための自己分析法、トレーニング法について、ご講演のなかでご紹介頂いた例をいくつかご紹介する。

【概要】

大声で怒鳴るばかりの怖い相手に対してどう対処するか。これに対しては「メモを書きなさい」という。コミュニケーションは非言語部分の割合が実は大きい。身振りや態度とに示される相手の「感情」部分と言葉の内容そのものの両方を相手から受け取っているが、「怒り」という相手の「感情」は「もらう」必要はなく、ただ相手の言っている内容を受け取るようにすればよい。「 メモをとる」という対処法によってこれができるようになる。
「アサーティブチェックリスト」(講演資料 :所内情報)によって、自分が誰に対してアグレッシブ(自己中心的で相手を尊重しない)・ノンアサーティブ(相手を立て、自分を後回しにする)、アサーティブ(相手も自分も尊重している)であるかを分析し、自分の傾向を知ることも重要である。そもそもコミュニケーションとは相手によって変わってくる相対的なものであることを認識することが重要である。
たとえば公園で子どもたちが遊んでいる。そこに仲間に入りたいが入れずにいる子どもがひとりいるとする。このとき大人のあなたはどうするか。おそらく「いれて」と声をかけようとするはず。その子どもは、このような場面を経験することで、こういうときは「入れて」といえばいいのだと学習する。言ったことのない言葉は言えないということの認識と、言うことのトレーニングが必要である。
男女共同参画の基本には、異なる他者の受容と理解、多様性の受容がある。新林野庁長官は、林野庁を「明るく笑いの絶えない」職場にするという抱負をもたれているとのことだが、セミナーの冒頭に理事長はこれを引用し、輝く女性の絶えない研究所にしたいと挨拶された。女性も男性もともに耀く研究所となるベースには、スムーズなコミュニケーションは不可欠であろう。

男女共同参画室 太田祐子 : 記 

会場の様子

 原先生 会場3 会場1

渋谷先生の執筆された本の紹介
「素敵な自分表現アサーティブ」岩舩展子・渋谷武子著PHP出版2005年

「アサーティブ」聞きなれない言葉ですね。「アサーティブ」とは「自分を大切にし、相手も同じように大切にすること」だそうです。この考え方をもとに、人間関係のストレスを減らすコミュニケーションのコツをわかりやすく解説している本です。具体的な例をたくさん使って説明されているので、イメージしやすいです。たとえば「数人でランチを食べに行くとき、みんなイタリアンがいい!」と言っているが、自分はあっさりした和食が食べたい場合、自分の気持ちを素直に表現するには?」これは第1章の最初にある例です。他にも、そのまま実際の場面で使える言い回しがけっこうあります。
本文の中からいくつか気になった一節を拾い出すと「言葉足らずのせいで、あるいは言葉が不適切だったので人間関係をこじらせてしまうことはよくあること」、「思い込みー人を傷つけてはいけない、失敗してはいけない・・・-でがんじがらめになっていませんか」「満足できない、いつもの状態ー私はいつもこうなるーに慣れていませんか」、「心の中だけの心配りは、結局通じない」。思い当たることはありませんか?
生きていくうえで人間関係のストレスは避けられません。上にあげた一節に少しでも引っかかった人や、職場や家庭での対話を今よりもっとスムーズにし、気持ちよく過ごしたい人には特に一読をお勧めします。自分の人生を前向きにとらえ、人間関係に思い悩むことなく、人と快適にコミュニケートするためのヒントが得られると思います。
※なお、渋谷先生の著書は「男女共同参画室」に1冊ございます。(所内貸し出し可)

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お問い合わせ

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